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» 2018年03月28日 07時36分 公開

ブラックホールはどうなる? ホーキング博士、革新的理論で常識に挑んだ宇宙論の巨人 (1/4)

「車いすの天才科学者」と呼ばれ、76歳で死去した英理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士。難病と闘いながら革新的な理論で謎に挑み続け、宇宙論の発展に偉大な足跡を残す一方、社会にも広く影響を与えた。

[産経新聞]
産経新聞

 「車いすの天才科学者」と呼ばれ、14日に76歳で死去した英理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士。難病と闘いながら革新的な理論で謎に挑み続け、宇宙論の発展に偉大な足跡を残す一方、社会にも広く影響を与えた。

 現代宇宙論の基礎となっているのは、アインシュタインが1916年に発表した一般相対性理論だ。時間と空間は重力によってゆがむことを示したもので、ニュートンが17世紀に示した「時間と空間は何にも影響されない」という常識を覆す革命を起こした。

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 その後、宇宙は超高密度の状態で生まれ爆発的に膨張したとする「ビッグバン宇宙論」が誕生。29年には米国の天文学者ハッブルが、遠くの銀河ほど速く遠ざかっていることを観測し宇宙の膨張を実証した。

 宇宙の起源に関心を持ったホーキング氏は60年代以降、革新的な理論を次々に発表した。まず、相対性理論に従って時間をさかのぼっていくことで、宇宙には始まりが確かにあったと数学的に証明し、ビッグバン宇宙論に貢献した。

 その一方で、重大な問題も提起した。ビッグバンの発生時には巨大なエネルギーが一点に集中し、大きさがゼロで密度が無限大の「特異点」が生じる。ここでは時空が無限にゆがみ、相対性理論が成立しなくなるというものだ。

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