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インタビュー
» 2018年06月16日 08時00分 公開

100年先の世界を豊かにする挑戦 “実験区”「100BANCH」に潜入した (1/2)

パナソニックなど3社が立ち上げたスタートアップ支援事業「100BANCH」(ヒャクバンチ)。「実験的」なスピリットを大事にしながら、旬なアイデアや人材を世界に送り出そうとしている。東京・渋谷にある活動拠点を訪ね、詳しい話を聞いた。

[山本敦,ITmedia]

 「100BANCH」(ヒャクバンチ)は、2018年に創業100周年を迎えたパナソニックが構想を描き、カフェ・カンパニーとロフトワークの3社で立ち上げたスタートアップ支援のジョイントプログラム。同時に東京・渋谷にある活動拠点(インキュベーション施設)の名称にもなっている。発起人であるパナソニックの則武里恵氏、ロフトワークの松井創氏に100BANCHの活動内容を聞いた。

100BANCHの発起人。パナソニックの則武里恵氏

 ヒャクバンチが創立されたのは2017年の夏。則武氏によると、「志を持って活動する若者たちとともに、これからの100年を豊かなものにするための実験区」という。新進気鋭のスタートアップや学生などが多数参加しているヒャクバンチは、有望な“起業家の卵”の成長を促すアクセラレーターとして機能する。パナソニックの100周年にあたる2018年度内に100のプロジェクトをここから生みだしていくのが当面の目標だという。

再開発が進む東京・渋谷のJR新南口を出て徒歩2分。かつて電子部材メーカーの倉庫だったビルディングをスタイリッシュに改装した100BANCHの拠点がある

 渋谷は、東京の中で最も活気にあふれる街の1つであり、新しい文化の発信地として海外からも大いに注目されている。駅前再開発が進むJR新南口を出て徒歩2分の場所にヒャクバンチの拠点がある。かつて電子部材メーカーの倉庫だった建物をスタイリッシュに改装した3階建てのビルだ。

 1階には「WIRED CAFE」などの飲食店舗を経営するカフェ・カンパニーが運営するダイニング「KITCHEN」(キッチン)がある。松井氏によると、ここでヒャクバンチで進んでいるプロジェクトとのコラボメニューが出されたり、合同でのイベントも開催されるそうだ。

1階の「KITCHEN(キッチン)」のイメージ。ここでイベントも行われるという

 2階はヒャクバンチに参加するプロジェクトメンバーのためのワークスペース「GARAGE」(ガレージ)。筆者もこの日の取材のためにガレージを覗く機会を得たが、玄関に足を踏み入れた瞬間に若者たちが放つ独特の熱気を肌で感じた。そして3階がワークショップや発表会などに活用されているイベントスペース「LOFT」(ロフト)となっている。

ガレージのエントランス。壁面には数々のガレージプログラムの紹介が並ぶ

 ヒャクバンチの活動の中心は、有望なプロジェクトを発見、支援する「ガレージプログラム」だ。参加者は一般から広く受付けているが、応募時点でプロジェクトを率いるリーダーの年齢が35歳未満であることと、ヒャクバンチでの活動期間である3カ月間はヒャクバンチを主要拠点にすることが条件とされている。もちろん自身のプロジェクトに対する責任感と情熱を抱いていることが何より大切だ。

 パナソニックが関わるジョイントプロジェクトなので、どちらかといえばエレクトロニクスやハードウェアに関連するアイデアやプロジェクトの方が歓迎されるのだろうか。質問をぶつけてみたところ、その必要はまったくないのだという。「次の100年を豊かな未来にすることを目指した、常識にとらわれない発想を私たちは歓迎したいと考えています」と、則武氏と松井氏は口を揃える。

ロフトワークの松井創氏

 事実、ヒャクバンチのプロジェクトは多様だ。Webサイト上では1つ1つのプロジェクトが事細かな内容まで紹介されているので、ぜひ参照してほしい。ざっとカテゴリーだけを見渡してみても、食にファッション、コミュニケーションなど多岐にわたる。

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