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聴力サポートに自動外国語翻訳 もう“聞く”だけじゃない完全ワイヤレスイヤフォン最新事情(2/3 ページ)

» 2018年06月26日 07時00分 公開
[山本敦ITmedia]

強力な聴力サポート機能を搭載する「IQbuds」

 続いて紹介するのはオーストラリアから上陸したブランド、Nuheara(ニューヒアラ)のスマートイヤフォン「IQbuds」だ。こちらの製品が特別なのは、強力な「聴力サポート機能」を搭載していることだ。

ニューヒアラの聴力サポート機能を搭載するイヤフォン「IQbuds」

 人は誰でも35歳ごろから聴力が落ちてくるもの。特に聞こえにくくなっている帯域をイヤフォンとアプリを使って計測して、常にベストなヒアリングコンディションを得るためのスマートデバイスとしてIQbudsは誕生した。

 イヤフォンには左右に2基ずつの高性能MEMSマイクを内蔵。周囲の音やハンズフリー通話の音声をマイクでピックアップし、内蔵するDSP(Digital Signal Processor)を使って「人の声」をより分けて聞きやすくする機能を持つ。専用スマホアプリを使えば、「レストラン」や「ホーム」「ストリート」など用途と場所を想定した7つのプリセットを切り替えながらマイクの効き方を素早くアレンジできる。ほかにも「SINC」(Super Intelligent Noise Control)と命名された機能から外のノイズと声の聞こえ方のバランスを調節したり、イコライザー機能を使って特に聞きやすくしたい音域を設定できるようにした。

外音の取り込みバランスや、特に聞こえ方をよくしたい帯域のバランスを調整できるイコライザーがアプリに搭載されている

 実機を試してみたところマイクの効果がかなり高く、にぎやかなバーのような場所で、向かい合わせに座っている友人がボソボソっとしゃべった会話までよく聞こえる。これがあれば居酒屋でも大声でシャウトすることなく、エレガントにお酒を楽しめそうだ。

 デザインは完全にオーディオ用のカナル型イヤフォンと同じで、外音取り込みの機能をオフにすると音楽により集中しながらリスニングが楽しめる。なお、マイクで集めた外音からノイズを検知して消音するアクティブノイズキャンセリング機能は搭載していない。

 IQbudsのように聴力サポートを、あるいは外音を取り込みながら聞ける機能を搭載するイヤフォンを使う場合、デバイスが典型的なイヤフォンのカタチをしていると、ユーザーは人の声がちゃんと聞こえているのに、会話の相手方がイヤフォンを着けたままのこちらの様子を見ながら「どうせこの人、聞こえてないんでしょ」と判断して声を発してくれないことも多い。このため会話の相手にヒアリングデバイスを身に着けていることを悟らせないプロダクトデザインを探求することも肝要だ。例えば女性ならイヤリング、男性ならサングラスやネックバンドスタイルのヒアラブル端末があれば会話がいっそう弾むだろうし、聴力サポート機能の効果がますます実感できると思う。

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