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» 2018年07月06日 06時56分 公開

「土用丑の日」どう守る 稚魚不足で「下りウナギ」保護を決議

ニホンウナギの資源回復に向けた動きが始まった。「土用の丑の日」商戦に向け、外食や流通は今夏の販売中止など対応に苦慮しており、夏場にウナギを食べて栄養を取る伝統的な日本の食文化をどう守るかが問われている。

[産経新聞]
産経新聞

 ニホンウナギが減少し、ここ数年稚魚の不漁も続く中、資源回復に向けた動きが始まった。内水面漁業の2大業界団体が3日、全国の河川で、産卵のため海に向かう「下りウナギ」の保護に取り組む共同決議を水産庁に報告。「土用の丑の日」商戦に向け、外食や流通は今夏の販売中止など対応に苦慮しており、夏場にウナギを食べて栄養を取る伝統的な日本の食文化をどう守るかが問われている。

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 決議は、全国内水面漁場管理委員会連合会と全国内水面漁業協同組合連合会が水産庁の長谷成人長官に報告。今後、採捕の制限やウナギのすみかを作る取り組みを進め、資源回復につなげるとしている。

 流通大手のイオンも平成35年までに、生産・流通履歴が確認できるウナギに限って販売する仕組みを構築する方針だ。ウナギの稚魚の捕獲や流通経路が不透明と非難されているため。同時に、ニホンウナギ不足を補うため、インドネシア産のビカーラ種ウナギを環境保護団体と協力し、現地での養殖を進めていく。

 一方、今夏の土用の丑の日(7月20日、8月1日)商戦をめぐっては、ロイヤルホールディングス(HD)傘下のファミリーレストラン「ロイヤルホスト」、天丼チェーン「天丼てんや」が、ウナギ商品の販売中止を決めた。ウナギの調達が難しくなっており、大戸屋HDの定食チェーン「大戸屋」は約500円の値上げに踏み切った。広報担当者は「今年は販売できるが、来年も継続できるとは断言できない」と先行きを危ぶむ。

 こうした中、日本養鰻(ようまん)漁業協同組合連合会は“苦肉の策”をひねり出した。うな重1人前につき、ウナギ1匹を使うのが一般的だが、ウナギを例年の2倍程度の大きさに育て、その半分を1人前とする方法だ。

 同連合会は通常、1年半程度の養殖期間を半年程度延ばし、その分、ウナギを大きく育成。昔ながらの規格にこだわる全国のかば焼き業者に例年よりも大きいウナギへの理解を求めている。稚魚不漁が続く中で、定着の可能性も高い。(平尾孝、米沢文)

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