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350ml缶サイズのAndroid搭載モバイルプロジェクター「Nebula Capsule」を試す(2/2 ページ)

» 2018年07月06日 18時00分 公開
[山口恵祐ITmedia]
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電源を入れてみよう

 天面にある電源ボタンを長押しすると、NEBULAのロゴが投写され、約30秒でAndroid TV風のホーム画面が立ち上がる。起動中は「シュー」というファンの音が常に聞こえるが、音声が流れているときは気にならない程度。

 ホーム画面には、「HDMI」「ファイルマネージャー」「アプリマネージャー」「ネットワーク」「設定」という基本機能の他、プリインストールされている「Amazonプライムビデオ」「YouTube」「Netflix」「App Store」(Aptoide TV:独自アプリストア)のアイコンが並ぶ。

photo Android TV風の独自ホーム画面

 操作は付属のリモコンの他、専用アプリ(Android、iOS)も使える。アプリでは画面上に現れるマウスカーソルをタッチパッドのように操作したり、キーボードで文字入力をしたりもできるので便利だ。いつも見ているドラマの続きを見るなら気軽にリモコンで、まだ見ぬ映画をザッピングして探すならアプリを使ったほうが便利である。

photo 専用アプリ(写真=左)と付属リモコン(写真=右)

 YouTubeやAmazonプライムビデオなどを難しい操作なしですぐに楽しめる。普段使っているアカウントでのログインももちろん可能だ。

photo 「YouTube」アプリ
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 Aptoide TVという独自のアプリストアを開くと、リモコン操作を前提とした「Android TV 向けアプリ」とされているアプリを追加できる。好みの動画再生アプリで本体やUSBメモリなどに保存した動画の再生も自由自在だ。さらにAndroidアプリの実行ファイルであるapkファイルを用意すれば、ストアにないアプリもインストールできる。

photo 「Amazonプライムビデオ」アプリ
photo アプリストアで定番動画再生アプリ「VLC」なども追加できる

 HDMI接続はもちろんのこと、AirPlayとMiracastを使ったワイヤレスディスプレイ接続にも対応する。ここまで投写できるコンテンツが幅広いモバイルプロジェクターは、なかなか貴重ではないだろうか。

photo HDMI接続にも対応
photo AirPlayとMiracastを使ったワイヤレスディスプレイ接続にも対応。スマートフォンやPCをワイヤレスで接続できる

 搭載するプロセッサはクアッドコア、メモリは1GB。メニューの動きやアプリの起動はスムーズでストレスなく操作できた。8GB(eMMC)のストレージも搭載しているので、ちょっとしたファイル保存も可能。無線機能はWi-Fi(IEEE 802.11a/b/g/n準拠)とBluetooth 4.0(A2DP)に対応、フルHDの映像コンテンツもスムーズに再生できる。

プロジェクターの性能、映像の質は?

 機能面は魅力的だが、モバイルプロジェクターでもっとも重要なのは投写される映像の明るさや質だ。Nebula Capsuleの基本スペックは、明るさ100ルーメン、解像度854×480ピクセル、コントラスト比400:1、LED光源となっている。壁から0.58メートル離して設置すると20インチ、3.08メートルでは100インチの投写画面サイズを得られるという。

 実際に使ってみたところ、「暗い部屋かつ数人で使うホビー用途」にぴったりだと感じた。「今日は部屋の電気を消して雰囲気を出しつつ、お酒やつまみを持ち寄ってみんなで映画を楽しむ」──そんな場面で活躍するだろう。

photo 壁から約3メートル離して投写してみた。部屋をかなり暗くしないと視聴は厳しいと感じた

 100ルーメンは、モバイルプロジェクターでも低めの明るさ。日中の外光が入ってくる時間帯では、遮光カーテンなどを使わない限りは満足できる投写はできなかった。10人程度が入る会議室で、日中に窓のブラインド軽く下げた状態の利用は厳しい。どんな環境か分からない営業の客先で、資料を投写するといった用途には向かないだろう。

 かなり暗い環境を用意しないと明るさに満足できないと感じるユーザーもいるだろう。そういった意味でも、プライベートで楽しめる動画サービスのアプリが充実している製品コンセプトは、とても理にかなっているといえる。実際にベットに寝た状態で部屋の電気を消し、天井に動画を投写して楽しめた。他にもスピーカーやバッテリーを搭載している利点を生かし、屋外のゆるーいキャンプなどでも活躍するだろう。

 試用を続ける中で気になったのが、小型三脚の必要性だ。他のモバイルプロジェクターにも共通していえるのだが、円筒形なので机に置いてしまうと投写位置の微調整ができない。小型三脚は付属してもいいのではないか。

 オートキーストーン補正(台形補正)機能を内蔵しているので、垂直の傾きに合わせて投写する映像の形を自動で補正できる。よって設置場所の高さは融通が効く。

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photo オートキーストーン補正(台形補正)機能を内蔵しており、垂直の傾きを自動で補正できる

 本体には5200mAhのバッテリーを搭載しており、ローカルに保存された動画再生で約2.5時間、Bluetoothスピーカーモードの音楽再生で約40時間使える(いずれも公称値)。電源ケーブルは出力2AのmicroUSBケーブルなので、一般的なスマートフォン用のケーブルがそのまま使える。本体の充電はQuickCharge 2.0までの対応だが、QuickCharge 3.0の充電アダプターが付属しているのは、さすが周辺機器に強いAnkerといったところ。


 映像を投影するプロジェクターといえば、会社の会議室や大学の講義室を思い浮かべる人が多いだろう。身近ではすっかりビジネス用途の製品ジャンルとなりつつあるが、一方で、誰もが一度は“自宅シアター”に憧れたことがあるはず。

 モバイルプロジェクターがあれば、自宅で気軽に映画館ごっこが実現する。今はVR(仮想現実)ヘッドマウントディスプレイを使った映画視聴も人気だが、リアルワールドでみんなでわいわい映画を見るような機会がある人は検討してもいいだろう。

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