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釣り人から集めた写真300万枚、人力でタグ付け AIが魚を判別するアプリ「フィッシュ」はこうして生まれた(2/2 ページ)

» 2018年07月13日 15時20分 公開
[片渕陽平ITmedia]
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 魚種を判別するアプリは、どのような場所で使われるだろうか――。開発スタッフは、海や川など野外の水辺、水族館などを想定。そうした場所では、周囲が明るい・暗い、背景に魚以外のものがごちゃごちゃと写り込む、といった状況になると考えた。そのため条件が異なるさまざまな画像をAIに学習させる必要があった。

 「魚種ごとに、一緒に映り込む可能性の高いもの、フラッシュの使用有無などを考慮した。例えば、ブラックバスは(サイズを測る)メジャーと一緒によく撮影される。メバルは夜釣りで狙うことが多いので、フラッシュを使用して撮影することが多い」

 こうした苦労があり完成したアプリは、魚の他、イカ、タコなども見分ける。魚種以外に、生きているか死んでいるかなどの情報のタグ付けも始めた。スズキなど一部の魚ではAIが生死を判別できるという。

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「釣りをアップデートしていきたい」

 同社の開発スタッフは「釣りをはじめ、海や川でのレジャーをより気軽で安全に楽しむツールを作りたい」と意気込む。開発したAI技術のAPIを他社へも提供。魚市場では、これまで人力だった魚の振り分け作業を自動化したり、水族館では、来場者が魚について楽しく学べるツールを用意したり――といった活用を見込む。

 この他、特定の企業向けにオリジナルの魚種判別ツールを開発した。今後は魚と関係がない画像を判別するAIの企画や開発なども検討する。「今後も当社のテクノロジーとエンターテインメントの力を生かし、釣りをアップデートしていきたい」

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