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» 2018年07月18日 07時19分 公開

「この世は地獄」だからプロジェクションマッピング法要 これこそ本来のお寺の姿? (1/3)

CG映像をお堂の空間いっぱいに映し出し、仏の世界観を伝える寺がある。厳かさとは一線を画す異彩の法要だが、実は最新を取り入れることこそ、お寺本来のあり方に近いのだとか。なぜか。

[産経新聞]
産経新聞

 気楽には足を踏み入れられない厳かさ。そんなイメージのあるお寺の法要が現代的なテクノロジーを用いてデジタル世代の若者にも親しみやすく変化している。コンピューターグラフィックス(CG)の映像をお堂の空間いっぱいに映し出し、仏の世界観を伝えるのは、東京のとあるお寺。厳かさとは一線を画す異彩の法要だが、実は最新を取り入れることこそ、お寺本来のあり方に近いのだとか。なぜか。

地獄と極楽浄土

 東京の下町・荒川区にある町屋光明寺。その本堂は、内陣よりも参詣席を広くあつらえた、浄土真宗寺院のスタイルにのっとった一般的な造りだ。中央には鎌倉時代初期彫像の阿弥陀如来立像が厳かに祀(まつ)られている。

 ところが月に1度の「プロジェクションマッピング法要」では、本堂が一転、劇場に変わる。

画像 プロジェクションマッピング法要の参加者には、鮮やかな散華(右)と参詣証が渡される(津川綾子撮影)

 関東圏のお盆入り間近の7月10日、町屋光明寺を訪ね、この最新の法要を体験した。

 建物の壁面に映像を投影するのが、プロジェクションマッピング。町屋光明寺で本堂の床や壁をスクリーンに、色を埋め尽くすようにして流すのは、「地獄と極楽浄土」をテーマにした物語だ。まずはのどかな生(せい)を思わせるシーンから。床一面に咲く色とりどりの花々、葉を揺らして壁で波打つ森の木々。鳥のさえずりのBGMも加わって、自然と共存し、人生を謳歌(おうか)するイメージがふくらむ。

 しかし、桃源郷のようなシーンは長く続かない。不穏なカラスの群れが画面を切り裂くように飛び回ったかと思うと、赤々とした地獄の底に滑り落ちていく。煮えたぎるマグマの間に、鬼や亡者がうごめく地獄の光景。阿鼻叫喚の重なる音響と相まった、恐怖の光景におののく。

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