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「養命酒になりきって考えた」 なぜスマスピと合体? 「AI養命酒」誕生の裏側(2/4 ページ)

» 2018年08月04日 06時00分 公開
[村上万純ITmedia]

鳥山さん 他にも凸版さんにいろいろむちゃぶりをしつつアイデアを出して、実現可能かどうかを話し合っていきました。

―― ちなみに、今回実現しなかったむちゃぶり候補はどんなものが。

鳥山さん 今後使えそうなネタもあるので秘密です。

―― なるほど(笑)。いつもWebプロモーションが突き抜けてるなと思ってます。

養命酒製造佐熊さん 一見ふざけたことをやっているように見えても、特設ページにあるように、「養命酒とは何か」「どこで購入できるか」などの情報はきちんと伝えているつもりです。あと本物の養命酒は医薬品なので、AI養命酒は明確にスピーカーであると分かるように、カバーに穴を開けたり、LEDをのぞかせたりしてます。

―― 今回の企画はいつからスタートしたんですか。

凸版印刷諫山さん 話自体は12月からありましたが、本格的に稼働したのは3月ですね。それまでビンくんを連れてアメリカに行ったりしていたので。私と松尾が普段は九州なので、週1回くらいの頻度で東京に来たりしてました。

佐熊さん ビンくんが海を渡るのが大変だったんです、飛行機で。

ビンくん 海外出張もするアクティブなビンくん

「自分が養命酒になったら」を考えた

―― 東京と九州を行き来しながら、わずか3〜4カ月で開発したんですね。AI養命酒は健康の話題に詳しいものの、普通のスマートスピーカーが答えてくれる、天気や時間に関する質問には答えてくれませんよね。

会議 東京と九州を行き来して会議を重ねた(※写真はイメージです)

諫山さん 養命酒に語りかけることの意味を考えました。養命酒や健康のことについて聞かれたら、それは自分の存在意義でもあるのできちんと答える。でも、天気のことなどは普通のスマートスピーカーでいいですよね。自分がこの養命酒のカバーをかぶって話しかけられたら、相手に何て答えるかなという視点でシナリオを考えてます。基本軸は「自分が養命酒になったら」。

―― 自分が、養命酒になる。

養命酒 自分が、養命酒になる……

諫山さん そういった意味では、通常のプロジェクトとは違うやり方で進んでいったなと思います。まず中身の部分ですが、普通AIと聞くと完璧なものをイメージしますが、AI養命酒の方向性は違います。

鳥山さん 養命酒とはどういうものかを答える基本性能がありつつも、AIならではの変なやりとりというか、いい加減でちゃらんぽらんな未完成な部分をうまく引き出したいと思っていました。

諫山さん アイデアを出し合う中で、鳥山さんと佐熊さんのちょっとした発言にハッとさせられたり、お二人の考え方にはすごく刺激を受けました。

―― ビジュアルのこだわりはどうですか。Googleアシスタントを搭載したソニーのスマートスピーカー「LF-S50G」に養命酒の瓶を再現したカバーをかぶせてますが、かなり存在感のあるサイズで、見た目も養命酒そっくりです。

中身 中身はソニーのスマートスピーカー「LF-S50G

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