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» 2018年08月06日 06時52分 公開

日本発、衛星画像のカラー化技術 無人機との組み合わせで災害対応も (1/3)

人工衛星などが上空から撮影した画像は、夜間や悪天候時は、レーダーでのモノクロ撮影に限られていたが、近年これをカラー化する世界初の技術が日本で生まれた。西日本豪雨の被災地も明瞭に浮かび上がり、安全保障や災害対応など多様な場面での活用が期待されている。

[産経新聞]
産経新聞

 私たちが暮らす地上世界は、人工衛星や航空機などで上空から頻繁に撮影されている。このうち夜間や悪天候時は、レーダーでのモノクロ撮影に限られていたが、近年これをカラー化する世界初の技術が日本で生まれた。7月上旬に大きな被害を出した西日本豪雨の被災地も明瞭に浮かび上がり、安全保障や災害対応など多様な場面での活用が期待されている。

画像 西日本豪雨で浸水した岡山県倉敷市真備町付近。河川沿いに広がる黒っぽい部分が浸水域。JAXAの陸域観測技術衛星「だいち2号」が7月7日未明に撮影した画像をカラー化した(リモート・センシング技術センター提供)
画像 西日本豪雨で浸水した岡山県倉敷市真備町付近。河川沿いに広がる黒っぽい部分が浸水域。JAXAの陸域観測技術衛星「だいち2号」が7月7日未明に撮影した(リモート・センシング技術センター提供)

現状は“白黒写真”

 上空からの撮影は、リモートセンシング(遠隔探査)と呼ばれる活動の一つだ。日本では、事実上の偵察衛星である情報収集衛星や、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち2号」などの活動が知られる。

 撮影方法は、デジタルカメラのような光学センサーと、電波を用いる合成開口レーダー(SAR)の2種類に大別される。光学センサーの場合、撮影は昼間の晴天時に限られるが画像はカラーだ。これに対し、合成開口レーダーは夜間や悪天候時でも撮影できるものの、画像はモノクロに限られていた。例えるなら昔の白黒写真のようなもので、利用者からは「地上の状況が分かりにくい」といった声が出ていた。

浸水域も明瞭

 そこで、一般財団法人リモート・センシング技術センター(東京都港区)の古田竜一グループリーダーは、合成開口レーダーで取得したモノクロ画像をカラー化する技術の開発に取り組んだ。この努力は実を結び、2013年に世界で初めて成功。すぐに特許を出願し、今年7月に登録された。

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