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「ガラス円盤社屋」Apple Parkに導入された建築技術

» 2018年08月29日 11時16分 公開
[MACお宝鑑定団]
MACお宝鑑定団

 Structural Engineers Association of Californiaが2017年9月13-15日にかけて開催した「SEAOC 2017 CONVENTION」において、Clark PacificとArupが、Apple Park建設における技術報告書「Apple Park Precast – Integrated Architecture, Structure, and Mechanical Services in a Long Span Floor System」を公開していた。

 オフィススペースの重要な建築的特徴の1つは床から天井までに達するガラスの仕切りだが、耐震に対する構造的課題として、水平揺れよりも垂直揺れに対する安全性能を確保することが難しかったようで、ダブルT型プレキャストコンクリートでは効果がないことが判明し、中空ボイドスラブ工法を用いた軽量コンクリートによる新しい構造設計により実現可能となったようだ。

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 Appleはウルトラホワイトコンクリートを探しており、中部カリフォルニアで入手可能だった「苦灰石」(ドロマイト)と白いコンクリートを混ぜた自己充填コンクリート(SCC)を用いて複数のスラブユニットを鋳造し、それらを組み合わせることで白い天井や壁が造られているそうだ。

 Apple Parkの空調システムは堅い天井構造のため、容易に変更できないことを考慮する必要があり、コンクリートの熱量を利用し、天井に放射冷却システムを設けることによって、強制送風ダクトを減らさなければならなかったという。

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 冷水プラスチックパイプを下面にコイル状に配置し、気候調節ゾーンで調整された回路によってコントロールすることで実現できたそうだ。

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