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家に帰っても鍵を開けるのはいつも自分――スマートロック「セサミ」は孤独を癒せるかCloseBox(1/3 ページ)

» 2018年09月06日 06時01分 公開
[松尾公也ITmedia]

 人が一番孤独を感じるのは、帰宅してドアの鍵を自分で開けるときだという(筆者調べ)。

 家を建ててから四半世紀近く。どんな家にするか一緒に考え、最後まで過ごした妻は5年前から異界で僕を待っている。同居している息子は仕事に就いており帰りはたいてい僕より遅い。玄関の前、暗がりの中でバッグから鍵を探し出し、鍵穴の位置と鍵の向きを手探りする毎日だ。

 エリック・カルメンの「オール・バイ・マイセルフ」が脳内再生される。

 BGMはギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン」、ピンク・フロイドの「ノーバディ・ホーム」でもよい(よくない)。

 そんな生活は昨日で終わった。キャンディ・ハウスの「SESAME(セサミ)」と呼ばれる製品をドアの内側に取り付け、手を使わずにドアを開けられるスマートロックが我が家に導入されたからだ。

 SESAMEは2015年にKickstarterによるクラウドファンディングでスタート。日本で先行していたQrio Lockより製品化の時期は早い「スマートロックの老舗」である。

 構造はほぼ同じ。バッテリーで動作するモーターでドアの内側のサムターンを回す仕組みで、サムターンを覆いこむ形のユニットを粘着テープでドアに貼り付けておく。この本体にBluetooth接続したスマートフォンから指令を与えて人間がサムターンを回すのと同じように鍵の施錠、解錠を行う。

 8月28日に、9800円という低価格でこのスマートロック機能が使える「SESAME mini」という製品が出た。Makuakeでのクラウドファンディングによる出資募集。ただ、出荷時期が12月以降。では現行製品であるSESAMEはどうかと調べてみたら、1万4800円で買える。しかもすぐに届く。競合するQrio Lockは2万2580円。十分安いではないか。

 孤独感は秋から冬にかけてさらに強まる(筆者調べ)。Amazon.co.jpでSESAMEを買った。

 さっそく玄関のドアに取り付けてみた。

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