「あの資料どこだっけ」に一瞬で答えてくれる――AIチャットボットと「LINE WORKS with KDDI」の連携がもたらす価値

» 2018年09月12日 10時00分 公開
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 「PCが故障したけどどうしたらいい?」「あのマニュアルってどこに保存されているんだっけ」――多くの企業で日常茶飯事になっている「社内問い合わせ」。その対応にかかる時間やコストについて考えてみたことはあるだろうか。

 働き方改革として業務効率化に取り組む企業が増えている中、こうした社内ヘルプデスク業務は盲点となっていたケースも多いかもしれない。「現状でなんとかなっている」「そこにコストはかけられない」と、対策を後回しにした結果、相談を受けやすいような優秀な社員が問い合わせ対応に追われ、本業に集中できない状況を生んでしまっていることは珍しくない。

 社内の情報共有のため、FAQやWikiをすでに導入しているケースもあるだろう。だが「社内ポータルにFAQを用意するだけでは、なかなか問い合わせは減りません」と、KDDIでクラウドサービスの企画を担当している樋口太一さん(ソリューション事業企画本部 クラウドサービス企画部 企画2グループリーダー)は指摘する。

 頻発する社内問い合わせに対応するあまり、本来取り組むべき業務にリソースを割くことができない――そんな顧客企業の課題を解決すべく、同社が新たに提供を始めたのが、ビジネス用チャットサービスにAIチャットボットを組み込む新サービス『Proactive AI with KDDI』だ。これを同じくKDDIが提供している『LINE WORKS with KDDI』と組み合わせて提供する。

LINE WORKS with KDDIの利用は「爆発的に伸びている」

 国内で約7600万の月間アクティブユーザーを抱える『LINE』(2018年8月時点)。この使い勝手をビジネスシーンで安心して取り入れられるよう、セキュリティ対策などの法人向け機能を充実させたビジネスチャットサービスが『LINE WORKS』だ。KDDIは2016年から、他のクラウドサービスとのID連携機能などを追加した『LINE WORKS with KDDI』を提供してきた。

 それから2年が経過した今、LINE WORKS with KDDIの導入は「爆発的に伸びています」と樋口さんは明かす。KDDIが提供するSaaS系サービスの中でもトップクラスに伸びており、導入している企業の業種や規模も幅広いという。

photo KDDIの樋口太一さん

 「情報共有のためにスマートデバイスを導入する企業は増えていますが、コミュニケーションツールが社内に浸透し、社員に使いこなしてもらうまでには高いハードルがありました。その点、LINE WORKSはLINEと同じ感覚で使えるので、情報システム担当者にとってレクチャーの手間がかかりません。さらに、使いやすいコミニケーションツールがあることで、シャドーIT(企業が把握していないITツールの現場利用)のリスクも低減させることができます。そうしたメリットを感じ、スマートデバイスと一緒にLINE WORKSを導入する企業が増えています」

 KDDI自体も、スマートデバイスとLINE WORKSを用いて社内コミュニケーションを活性化させてきたという。だが、新たな課題として浮かび上がってきたのが、社内問い合わせ対応の煩雑さだ。

 「KDDIで商品企画を担当している我々自身も、商品に関する社内問い合わせをよく受けますが、過去に答えたはずのことを再び別の人に対して答えることも多々あります。FAQを作っても、同じことを何度も聞かれる状況はなかなか改善していませんでした」(樋口さん)

 すでにスマートデバイスを導入している顧客企業などからも、同様の相談を寄せられることが多かったという。そこで同社が注目したのが、LINE WORKSと組み合わせてAIチャットボットを稼働させ、社内問い合わせ対応を自動化するアプローチだ。

チャットボットで問い合わせ対応はどう変わる?

 Proactive AI with KDDIは、データ活用支援を手掛けるALBERTのAIチャットボットサービス『Proactive AI』により、問い合わせに対する回答の自動化を実現するものだ。

 チャットボットには大きく「シナリオ型」(ユーザーとの対話を通じて答えを提供するタイプ)と「検索型」(問い合わせに対して選択肢を提示し、適切と思われる回答表示やウェブサイトURLに誘導していくタイプ)の2種類がある。Proactive AIは、初期構築やメンテナンスが容易な検索型を採用しており、社内問い合わせのような定型的な質問に適しているという。

photo チャットボットの分類。Proactive AIは検索型を採用している(出典:KDDI、以下同)

 そのため、Proactive AI with KDDIは「導入のしやすさ」が大きな特長だ。ユーザー企業が準備するのは、Excelファイルなどに保存した一問一答形式のFAQと、社内用語や略称などの固有表現を収録した辞書だけ。辞書というのは、例えば社内でLINE WORKSのことを「LW」と略している場合、これをAIが理解するのに辞書が必要になるというわけだ。

photo ALBERTの佐藤沙矢香さん

 これらをAIに読み込ませ、質問に対する回答が役に立ったかどうかを入力していく学習作業を行えば、運用を始められる。対応させるFAQの数や種類にもよるが、初期設定スタートからだいたい3カ月ほどで本番運用を始められるケースが多いという。

 「検索型なので、1つのFAQについて数件ほど質問があれば初期学習を行えます。あとは実際に運用を始めてから、ユーザーのフィードバックを受けて自動で学習し、精度が高まっていきます」と、ALBERTの佐藤沙矢香さん(プロダクト開発部 カスタマーサポートマネージャー)は説明する。


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帰宅時間が1時間早く――グループ企業の試験導入で見えてきたもの

 Proactive AI with KDDIの提供に先立ち、社内でProactive AIを導入したのがKDDIグループ企業のKDDIまとめてオフィスだ。

photo KDDIまとめてオフィスの小林陽太郎さん

 KDDIの法人向け製品・サービスを全国に展開する同社は、これまで社内問い合わせ対応に電話やメール、LINE WORKSを活用してきた。営業担当者が約500人いるのに対し、社内問い合わせに対応するオペレーターは10人。「KDDIがチャットボットの取り扱いを検討していることを知り、真っ先に導入しようと決めました」と、KDDIまとめてオフィスの小林陽太郎さん(営業推進本部 サービス推進部 企画G)は振り返る。

 多数の商材を扱うKDDIまとめてオフィスの場合、AIに読み込ませるFAQは約8000件と膨大な数になった。だが2017年10月の作業着手から、わずか2カ月後の12月には本番リリースにこぎ着けたという。

 今では営業担当者がLINE WORKSの画面から日々チャットボットを活用している。特に好評なのが「〇〇はそもそも何か」という初歩的な質問ができる点だという。同社の営業担当者は、中途採用で通信業界以外から転職してくる人も多い。「電話では聞きづらいような初歩的なことも、LINEで気軽に問い合わせできます。システムが相手なので心理的な障壁も下がるのでしょう」と小林さんは分析する。

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 こうした「聞きたくても聞けなかった」多数の質問が、多くの企業内には眠っているのかもしれない。実際、ALBERTによれば、チャットボットを導入した企業では質問の総数が増えるという。問い合わせ数の減少を目的とする社内WikiやFAQとは逆のアプローチのようにも思えるが、これまで解決されないまま放置していた疑問を解消できる点は、むしろ大きなメリットだと言えるだろう。

photo KDDIまとめてオフィスの佐藤凡子さん

 導入後、KDDIまとめてオフィスの営業担当者からはさまざまな声が寄せられているという。「チャットボットに興味を持ってもらいやすい若い担当者を中心に、今では約40%の営業担当者が使っています。その中でアンケートを取った際、使いやすいと答えた人は47%でした。使い勝手を評価する声がある一方、まだ物足りない、こうなってほしいという要望も寄せられています」と、KDDIまとめてオフィスの佐藤凡子さん(営業推進本部 営業推進部 業務企画G)は手応えを話す。

 目的だった「問い合わせ業務の効率化」は達成できたのか。チャットボットの導入後も、有人サポートの需要は根強く存在し、オペレーターの人数自体は変わっていない。だが、従来は午前9時〜午後7時までだった対応時間を、2018年10月1日からは午前9時〜午後6時までと、1時間短縮する予定だ。オペレーターが残業することも少なくなったという。

 チャットボットの導入で業務の中身も変わったと、KDDIまとめてオフィスの佐藤さんは話す。さまざまな営業担当者からの「よくある質問」に答え続ける代わりに、FAQの改善に時間をかけられるようになったのだ。

 「チャットボットの回答のもとになるFAQは、日々メンテナンスしています。使い続けるうちにAIが賢くなることに加え、FAQ自体の改善にも取り組んでいます」と小林さん。Proactive AIでは、日々の利用件数や、答えられなかった質問のリストなどをダッシュボードで一目で把握できるため、改善の手応えを感じられるようになっているという。

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 今後は「営業担当者からの問い合わせだけでなく、総務部門に対する備品の問い合わせにも対応できそうです」と小林さんは期待を込める。

技術力と対応力に強み KDDIとALBERTが組む理由

 AIを用いたチャットボットサービスを提供している企業はいくつかあるが、KDDIがALBERTと組んだ理由は「AIや自然言語処理に関する技術を全て自社で持っていること」にあるという。

 「万一問題が起きたときに原因がどこにあるか、ALBERTさん側で全て見えているのは大きいです」と樋口さん。ALBERTの佐藤さんも「AIの挙動がブラックボックス化していません。例えば質問に対する回答がうまくヒットしない場合も、形態素解析の結果を見て、技術的にお答えできます」と話す。

 回答候補の精度面でも、Proactive AIには強みがあるという。「他社のAIチャットボットサービスから乗り換えを検討されているお客さまが、同じ質問への回答を比較したところ、Proactive AIのほうが高い点数が出たことがありました」(ALBERTの佐藤さん)

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 ALBERTは今後、Proactive AI with KDDIの回答精度向上に継続的に取り組みつつ、一問一答形式の問い合わせ機能以外のさらなる機能拡張に取り組んでいく方針だ。例えば「カレンダー連携機能」(カレンダーサービスと連携し、参加者の空き時間と空いている会議室を加味してチャットボットが予約を行う機能)や「パスワードリセット機能」(各サービスのパスワードを忘れてしまった際、チャットボットがリセットしてくれる機能)などの搭載を視野に入れている。

 またKDDIは今後、Proactive AI with KDDIを、スマートデバイスやチャットサービスと合わせて幅広い企業に展開していく。「働き方改革の具体策を探しているお客さまにぜひ使っていただきたいですね」と樋口さんは話している。


 これまで注目されることが少なかった「社内問い合わせ対応」は、AIチャットボットによって大きく変わりつつある分野の1つだ。「そこに課題があることに気づかなかった」と感じる企業こそ、Proactive AI with KDDIの導入メリットを強く享受できることだろう。

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提供:KDDI株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2018年9月20日