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GarageBandにジミヘンとリンゴがやってきたので新iPad Proが欲しくなるGarageBandオンザラン(2/2 ページ)

» 2018年11月09日 17時15分 公開
[松尾公也ITmedia]
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ビートルズのリズム隊が完成

 GarageBandの今回のバージョンアップ、もう1つのウリはリンゴ・スターのドラミング再現だ。つまり、ビートルズカバー曲のドラムパートはこれを選べばオッケーということ。ただし、標準ではインストールされないので、追加ダウンロードする必要がある。

 iOS版GarageBandではバージョンアップとは別に、ループや音源をダウンロードして追加できる「GarageBandサウンドライブラリ」という仕組み用意されている。ここに、「Songwriter Drummers」という追加音源が登場しているのでこれをダウンロード。ここにParkerというバーチャルドラマーがいる。こいつ(This Boy)は、名前はちょっと違うが、リンゴ・スターっぽいドラムを叩くのだ。

photo SongWiter Drummers

 Parkerのプロフィールを見てみよう。

ブリティッシュインヴェイジョンの影響の元、ミュートされたビンテージドラムで、タムのダイナミックなフィルを入れながら、クラシックロックビートを刻みます


photo 「Songwriter Drummers」で追加される3人のバーチャルドラマー

 Parkerが叩いてくれるドラムパターン(ビートプリセット)次のとおり:

  • Backbeat:若きビートルズを描いた映画のタイトルでもある
  • Chelsea Boots:ビートルズが襟なしスーツと同じく着用していた靴はチェルシーブーツ
  • English Garden:「I Am The Walrus」の歌詞に出てくる
  • Mersey Tunnel:リバプールのマージー川の下を通るトンネル
  • Mop Top:ビートルズの長髪はモップに似ていることから「モップトップ」呼ばれていた
  • Number 9:ホワイト・アルバムに収録されたジョンとヨーコのサウンドコラージュ「Revolution #9」から
  • Reel to Reel:日本ではオープンリールと呼ばれる、ビートルズの時代のレコーディングシステム
  • The Cavern:ビートルズを育てたライブハウス「キャバーンクラブ」

 全てビートルズと関係の深いキーワードだ。ただし、曲との関係はよくわからない。リズムパターンはたしかにビートルズっぽい。

 これに合わせて、ドラムキットもLiverpool Kitというのが追加されている。キック、スネア、シンバルなどの音色がリンゴ・スターの愛用ドラムであるラディックに近いものになっている。試しに自分で録音したGarageBandのビートルズカバーをこのドラムキットに入れ替えたら、再現度が高くなった気がする。Liverpool KitはDrummerのParkerが叩いたのではなく、自分で打ち込んだものでも使えるのだ。

 ちなみにLogic Pro XにもParker、Liverpool Kitは入っているので、iOS版のプロジェクトをインポートしてもOKだ。

 Smart BassにもLiverpoolというベースサウンドが用意されていて、そのアイコンはポール・マッカートニーの象徴ともなっているヘフナー製バイオリンベース。出てくるサウンドはまさにビートルズ時代のポールのベースだ。このLiverpool BassとLiverpool Drum Kit(Parker)を組み合わせれば、ビートルズのリズム隊は最小限の労力で再現できる。きちんとしたカバーではなく、ビートルズっぽくというのならこれで十分だろう。

 この勢いでギターにも「Liverpool」を作ってほしいものだ。エピフォン・カジノ、リッケンバッカーの325、グレッチのカントリー・ジェントルマンあたりをアイコンにして。

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