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» 2018年11月14日 07時50分 公開

ウミガメは逃げられます 神戸の水族園 脱出装置の開発に成功 (1/4)

漁師が設置した定置網に入り込み、脱出できずに死んでしまうウミガメを救おうと、神戸市立須磨海浜水族園が、網に取り付けることでウミガメが自力で脱出できる「ウミガメ脱出装置」の開発に成功した。

[産経新聞]
産経新聞

 漁師が設置した定置網に入り込み、脱出できずに死んでしまうウミガメを救おうと、神戸市立須磨海浜水族園(同市須磨区)が、網に取り付けることでウミガメが自力で脱出できる「ウミガメ脱出装置」の開発に成功した。構造はシンプルで、網の上部に設置し、通常は閉じた状態だが、呼吸するために浮上したウミガメが、出口を手や頭で押し上げるとわずかに開き外に出ることができる仕組み。全国の漁師にPRし、装置の普及に努める。日本近海に生息するウミガメは全種が絶滅危惧種に指定されており、専門家は「装置が広まればウミガメ保護に大きく貢献できる」と期待している。(土屋宏剛)

photo 脱出装置を使って定置網から出ようとするウミガメ(神戸市立須磨海浜水族園提供)
photo 脱出装置を使って定置網から出ようとするウミガメ(神戸市立須磨海浜水族園提供)

捕れた魚は逃さず

 須磨海浜水族園で昨年10月、園内の大水槽(縦12メートル、横25メートル、深さ4メートル)を利用して脱出装置が初披露された。水槽内の網の中にウミガメが入った数分後、呼吸しようと水面を目指したウミガメが装置を使って脱出。「無事にウミガメが脱出しました」。アナウンスが流れると水槽前で見学していた約100人の来園者から拍手が起こった。

 ウミガメは数十分間は海中で活動できるが、呼吸するために定期的に海面に顔を出す必要がある。しかし、海中に設置されている定置網に入ってしまうと、海面に浮上して呼吸することができずに死んでしまうケースがある。同水族園研究員の石原孝さんは平成22年から、こうした「混獲(こんかく)」と呼ばれる被害を防ぐために脱出装置の開発に取り組んできた。

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