その代表的な存在が「ダミープラグ」だ。パイロットはエントリープラグという細長いカプセル状のものを介してエヴァに搭乗するのだが、このエントリープラグには無人のものが存在する。パイロットの魂の形を生体コンピュータにコピーし、エントリープラグ内に搭載することで、無人での運用を可能とするテクノロジーだ。実際のところ少年少女を搭乗させないで済む分、こちらの方が人道的ではあるし、そのような意図を持って開発されたものと推測される。
また、一部の登場人物(?)は、自分に割り当てられたエヴァだけでなく、他のエヴァともシンクロ率を上げることができ、搭乗が可能となる。ここは核心に近いネタバレなので詳細は伏せるが、「精神感応認証」にも穴があることは分かっていただけただろうか。
ちなみにエヴァはテレビアニメ版の旧作と、「リビルド」された新劇場版では差異が存在する。もしかすると新劇場版では上記の説明が成り立たなくなるようなことになっているかもしれないが、その際はご容赦を。
では、遺伝子……というか、「血筋」が認証の鍵となる架空世界はないのか?
次に紹介するのは「勇者ライディーン」だ。1975年から放映されたテレビアニメ作品で、監督は富野喜幸(現・富野由悠季)、キャラクターデザインは安彦良和という、のちに「機動戦士ガンダム」を生み出すスタッフが作った作品だ。
1万2000年前にムー帝国を襲った妖魔帝国が現代に蘇り、考古学者の祖父と父をもつ主人公「ひびき洸」が、古代ムー帝国が作り上げたロボット「ライディーン」に乗り込んで戦うというのが大まかなストーリーだ。主題歌の「フェードイン、フェードイン」という歌詞を覚えている諸君もいるのではないか?
ひびき洸がなぜライディーンに乗れるのかというと、古代ムー帝国の末裔であるからという理由づけがされていた。なんと、母親「ひびき玲子」の正体はムー帝国の王ラ・ムーの娘「レムリア」。つまりこれは「血筋認証」だ。一種の「遺伝子認証」とも言えるかもしれない。
残念ながらこうした一連の伝奇的設定はテレビ局側からは不評で、富野喜幸は責任をとり前半で監督を降板してしまう。その後、長浜忠夫が監督を引き継いだが、作品としては好評を博し、その後のムー帝国の伏線も回収されている。現在はバンダイチャンネルで配信されているので、気になる諸君は一見をお勧めしたい。
余談だが、あのYMOの代表曲「Rydeen」も「勇者ライディーン」から命名されたという話がある。どうやら米国でも「勇者ライディーン」が流行していたからそれにあやかったようだ。
最後に紹介する架空世界は「アーサー王物語」(※1)。
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