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「世の中が変わることが面白い」 84歳の田原総一朗氏がAIに興味を持つ理由これからのAIの話をしよう(メディア編)(3/5 ページ)

» 2018年11月27日 08時00分 公開
[松本健太郎ITmedia]

 仕事は自分で作るものだ。人工知能の時代になると、仕事は自分で作るものになっていく。人工知能に使われる人は仕事がなくなっていき、自分のやりたいことに人工知能をうまく使える人はどんどん仕事が増えていくだろう。

 僕は大学生たちに「大学の4年間で自分の人生をかけても良いと思える何かを見つけなさい。自分が一体何をしたいか考えなさい」と言っている。就職活動で企業を選ぶ基準を聞くと、倒産しない企業、給料の高い企業、残業のない企業だと答える。自分のしたいことがない。

 ところで、あなたはなぜこういう仕事をやってるの。何で人工知能に興味を持ったの。

田原さん

―― 単純に、人工知能に興味を持ったからです。世の中にはまだ解けない謎が山のようにあります。パズルを解くように、謎が解けたら面白い。

 何が面白いの? 世の中の解けない謎なんて、人工知能以外にもいっぱいあるじゃない。

―― 数学が好きというのはありますね。

 なるほど。そういう人はいるでしょうね。

―― 自ら仕事を作り出していける人にとっては良い時代になる。

 僕は落合陽一(※編集部注:メディアアーティスト、研究者、実業家として多方面で活動)と親しくしているが、彼ほど人工知能に前向きな奴はいないし面白い。世の中ではワークライフバランスという言葉がはやっているけど、彼は「ワークアズライフ」と言っている。

 つまり、仕事とプライベートを分けず「好きなことやれ」ということ。仕事がつまらないから趣味があるわけでしょ。好きなことができるなら趣味はいらない。僕は寝るとき以外はずっと仕事しているが、好きなことをやっているから仕事じゃなくて趣味と考えている。

―― ところで「仕事が人工知能に奪われる論」については、世界でさまざまな反証論文が出ています。私が書いた記事でも、ヨーロッパ経済研究センターのメラニー・アーンツ研究員たちの論文を紹介しました。タスクは奪われても仕事自体が奪われたりなくなったりすることは、そうそうないと思います。

 人工知能は仕事を奪わないというのが、あなたの立場。これはすごく単純な話で、人工知能が普及すれば安いホテルは全部ロボットになり、高いホテルは人間がもてなすようになるだろう。レストランなんかもそうだが、仕事が自動化されれば付加価値として人間のおもてなしが大事になる。

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