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声で操作する学習リモコン、レイトロンがクラウドファンディングを開始 「ただいま」でマクロ実行

» 2018年12月25日 14時28分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 半導体設計やコミュニケーションロボットで知られるレイトロン(大阪府)は12月25日、スマートスピーカーのように家電を声で操作する学習リモコン「LisPee360」(リスピーサンロクマル)のクラウドファンディングを「Makuake」で開始した。支援プランは2万1168円(税、送料込)から。

LisPee360」(リスピーサンロクマル)

 コミュニケーションロボット「Chapit」(チャピット)で培った音声認識エンジンLSI「VoiceMagic」を採用。雑音のある環境でマイクから2〜3メートル離れていても認識できる他(SNR20dBで認識率98%以上)、音声区間自動検出機能により特定の認識トリガーも不要だという。例えばAIスピーカーでは音声認識を開始する際に「アレクサ」「Ok, Google」などのトリガー(ウェイクワード)を用いるが、LisPee360なら普通に話すだけでいい。

 「VoiceMagicには特許取得済みの自動音声区間検出アルゴリズムと認識棄却アルゴリズムが搭載されています。これは話し声の無音区間と無音区間に挟まれた音声区間だけを検出し、必要と判断される部分を認識するというもの。通常の会話やテレビの音声といった連続した音声には反応しません」(レイトロン新事業推進部の宮崎善行氏)

 例えば「LisPee360はね、照明つけてって言ったら、照明をつけるんだよ」「じゃぁ、今から照明つけてって言うから見ててね」といった会話にLisPee360は反応しないが、その後、「昭明つけて」と言うと認識して昭明をオンにするという。無音区間は、約0.5秒(500ミリ秒)に設定している。

 リモコンコードはプリセットが基本で、出荷時には国内で流通している家電(テレビ、エアコン、BD/DVDレコーダー)100種類以上のコードを登録済み。学習機能を使って手持ちのリモコン信号も登録できる。

 マクロ機能にも対応。例えば「ただいま」というフレーズでテレビやエアコンをオンにするといった使い方ができる。「1フレーズで最大で10ステップまで、その間にディレイタイムを登録することもできます」(宮崎氏)

ワンフレーズで複数の家電を操作できる

 リモコン信号の学習やマクロ作成といった設定作業は、すべて音声認識を使った対話形式で行えるため、スマートフォンなどを使う必要はない。ただ、ユーザーの利便性を上げるあめに専用のPCソフトは開発中だ。PC上でマクロなどを作成した後、USBケーブルでLisPee360本体に転送する方式になるという。

 この他、内蔵の時計やカレンダーを活用したリマインダー機能、家族への伝言などを記録する音声メモ機能なども備えた。「技術者がやりたいこと、便利だと感じたことをすべて盛り込んだ学習リモコン。ガジェット好きな人はもちろん、設定や操作が簡単で、高齢の方にも便利に使えると思います」(宮崎氏)

 本体は86(直径)×87(高さ)ミリのドーム型。12個の赤外線発光モジュールを外向きに並べ、部屋中にリモコン信号を届ける仕組みだ。壁面反射なども考慮した到達距離は約8メートル。本体重量は約120グラムで、USB-ACアダプターで動作する。

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