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「剣と魔法のログレス」開発元、約40人の早期退職者募集 スマホゲーム競争激化で収益減

» 2019年05月07日 19時23分 公開
[ITmedia]

 ゲーム開発のAiming(東京都渋谷区)は5月7日、早期退職者を約40人募集すると発表した。「剣と魔法のログレス」シリーズなどの人気作を手掛けてきたが、近年は他社との開発競争の激化に伴う収益減が続いていた。今回の構造改革により、人員の適正化と黒字体質への転換を目指すとしている。

photo シリーズ最新作「剣と魔法のログレス いにしえの女神」。スマホアプリ上で遊べる

 対象は、「企画・運営グループ」に在籍する勤続2年以上(4月30日時点)の従業員。5月20日〜31日にかけて募集し、6月30日を退職日とする予定。対象者には特別退職金を支給する他、希望に応じて再就職支援を行う。一連の費用は2019年12月期(19年1〜12月)に特別損失として計上するが、金額は現時点では未定。確定次第開示する方針だ。

 こうした事態を招いた責任を取り、常勤取締役と一部管理職の役員報酬を5〜7月にかけて減額する。減額幅は、社長は月額報酬の50%、その他の常勤取締役は月額報酬の30%、一部管理職は月額報酬の最大10%。役員報酬の減額は19年12月期の業績には影響しない。

photo Aimingによる発表

16年12月から断続的に赤字

 Aimingは16年12月期から断続的に赤字となり、18年12月期には営業損益が14億8600万円の赤字、最終損益が15億5300万円の赤字を計上。17年12月時点では51億1500万円あった資金残高が18年12月時点で29億700万円に減少し、決算短信には「継続企業の前提に重要な疑義」が記載された。

 業績改善に向け、子会社の解散やコスト削減を行った他、19年1月にはゲームアプリ「Fate/Grand Order」を開発・運営するディライトワークス(東京都目黒区)から約7億5000万円を調達。19年1〜3月期の営業損益は5900万円の黒字、最終損益は4800万円の黒字に転換したが、決算短信における「疑義」記載の解消はならなかった。

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