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「Amazon Forecast」が正式リリース 過去の時系列データを与えるだけで機械学習による予測をしてくれる、専門知識不要のサービス

» 2019年09月06日 19時23分 公開
[新野淳一ITmedia]

この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「「Amazon Forecast」が正式リリース。過去の時系列データを与えるだけで機械学習による予測をしてくれる、専門知識不要のサービス」(2019年9月5日掲載)を、ITmediaNEWS編集部で一部編集し、転載したものです。

 Amazon Web Services(AWS)は、履歴データなどをもとに時系列予測を行ってくれる「Amazon Forecast」を正式サービスとしてリリースしました。

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 Amazon Forecastは、なんらかの時系列データおよびその時系列データに影響を与えたであろう周辺情報、例えばある店舗の売り上げの時系列データおよび、その店舗の場所の天候、気温、交通量、曜日や祝日など売り上げに影響すると思われる周辺情報を与えると、予測に必要な機械学習モデルの構築、アルゴリズムの選定、モデルの正確性の検証や改善などを全て自動で実行し、売り上げに関する予測のデータを出力してくれるというサービスです。

 一般に、機械学習を活用するには、学習用のデータと検証用のデータを用意し、学習用のデータから求められた予測結果を検証用データで検証して正確性を評価し、より適切なモデルやアルゴリズムを選択する、といった作業が発生します。

 Amazon Forecastではそうした処理は全て自動で行われるため、専門知識を持たなくてもデータさえ用意できれば、誰でも機械学習による予測を得ることができるのが特徴です。

 しかもAmazon Forecastは、20年以上にわたって小売、サプライチェーン、サーバのキャパシティーなど、複数の分野にわたって時系列予測の課題を解決してきた経験から学んだ機械学習技術がベースとなっていると説明されており、十分な実績があるとみられます。

 Amazon Forecastは、次のようなビジネスのさまざまな分野について予測可能とのことです。

  • 売上、利益、経費などのビジネス指標。
  • 特定の需要を満たすために必要なエネルギー量やバンド幅などのリソース要件。
  • 製造プロセスで必要とされる原材料、サービス、またはその他のインプットの量。
  • 価格割引、マーケティングプロモーション、その他のキャンペーンの影響を考慮したリテール需要。

 機械学習処理を自動的に行ってくれることで、例えばWebサイトの運用監視システムに組み込んでトラフィックを予測することで事前にサーバを増減させることや、業務システムに組み込んで売り上げ予測をすることで経営に生かすこと、駐車場などの混雑を予想することで警備計画に生かすことなど、さまざまなシステムへの組み込みと活用が考えられるのではないでしょうか。

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