Googleの新型スマートフォン「Pixel 4/4 XL」が10月24日に発売される。2018年に発売した「Pixel 3/3 XL」の後継モデルで、米QualcommのハイエンドSoC「Snapdragon 855」や6GBのメモリ、最大128GBのストレージなど、性能を追求したハイエンドモデルだ。価格は8万9980円(税込)から。
シリーズ初の背面2眼カメラや顔認証、ハンドジェスチャー操作(日本は来春に実装)、夜景モードの強化など、スマートフォンのトレンドに合わせてハードとソフトの両面を強化。さらに日本向けモデルは前モデルに引き続きFeliCa(おサイフケータイ)に対応するなど、ローカライズもしっかりと行われている。
Googleの自社開発ということもあり、「常に最新のAndroidが使える」「余計なアプリがインストールされていない」といったメリットも多い。SNSなどを見ていると、価格が上昇傾向にあるiPhoneユーザーの乗り換え先としても注目されているようだ。
そこで今回は「iPhone 11 Pro」を普段から使っている記者の視点から、数日間使ってみた中で感じた「ちょっといいな」と思うポイントを中心としたファーストインプレッションを紹介したい。
Pixel 4の外観は、良くも悪くも“普通のスマートフォン”という印象だ。前面はセンサーを内蔵するスペースを確保するため上部のベゼルが太く、下部のベゼルにディスプレイが寄っているように見える。端までディスプレイを広げた昨今のベゼルレスモデルに比べれば、見た目は「可もなく不可もなし」というのが正直なところ。
Googleはこのごろ、コンピュータが生活に溶け込み、人々が自然に使っている状態を表す「アンビエントコンピューティング」という概念を打ち出している。Pixel 4のシンプルなデザインはそれらを具現化したものと考えられる。
Pixel 4のカラーバリエーションは「Just Black」(黒)、「Clearly White」(白)、「Oh So Orange」(オレンジ)が用意されている。いずれも背面はガラス製で、白とオレンジはさらさらとした手触りのマット仕上げ加工が施されている一方、黒は光沢感が残された、いわゆるピアノブラックだ。ガラス本来の素材感が生かされており、“飾る”分には美しいが、とにかく日常使いで指紋が目立つ。
従来のPixelシリーズは黒もマット仕上げで指紋が目立ちにくかった。なぜ今回は光沢にしたのか。おそらく側面の黒いフレームとメリハリを付けたかったのだろうと推測できるが、ここはマット仕上げでよかったように思う。
記者がPixel 4の外観や手触りで気に入っているのが、先ほど挙げた黒いフレーム部分だ。アルミのさらさらとした手触りが心地よく、Pixel 3よりも質感は数段上に感じた。
そしてiPhone 11 Proの重さ188グラムに慣れている身からすると、Pixel 4(162グラム)はとても軽く感じるのが印象的だった。
背面にあるカメラ部分には標準レンズと望遠レンズ、上にスペクトルセンサーとフリッカーセンサー、下にLEDフラッシュが備わっている。それぞれが一体化しており、iPhone 11 Proの“タピオカ”に比べれば見た目の主張は激しくない。余談だが、記者は3つの点が顔に見える「シミュラクラ現象」によって、Pixel 4のレンズ部分が“おしゃぶりをくわえた赤ちゃん”にしか見えなくなった。
Pixel 4の売りであるカメラ機能については別の機会にまた紹介するが、少し試しただけでも最大8倍の超解像ズームや夜景モードの威力が発揮されていることを確認できた。
iPhone 11シリーズで搭載された超広角カメラの使い勝手を評価する声が多いが、Pixel 4は逆に望遠側を重視する設計にかじを切ったのは興味深いところだ。ちなみにiPhone 11シリーズは、今後のアップデートで高度な画像処理機能「Deep Fusion」が追加される。同一の機種であっても写真の質が進化していくのはスマホならでは。
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