この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「マイクロソフト、RPA機能を搭載した「Power Automate」発表。ユーザーの操作を記録、再現実行で自動化。Ignite 2019」(2019年11月5日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Microsoftは、フロリダ州オーランドで開催中のイベント「Microsoft Ignite 2019」で、RPA(Robotic Process Automation)機能を搭載した自動化ツール「Power Automate」を発表しました。
RPAとは一般に、まるで人間がアプリケーションを操作するように、ソフトウェアのロボットがアプリケーションを操作することで、システム間の連携や操作の自動化などを実現する技術や手法のことです。
マニュアル操作を前提とし、外部システムと連携するためのAPIを持たないようなアプリケーションは、企業内で使われている業務アプリケーションには数多くあります。RPAを用いることで、そうしたアプリケーションでもソフトウェアで操作できるようになります。
さらに、RPAは人間の操作を記録し、再現させることで自動化を実現する機能を持つため、プログラミングの知識のない現場のスタッフであってもシステムの自動化ができるようになります。RPAにはこうしたローコード/ノーコードのツールとしての側面もあるのです。
Microsoftが発表した「Power Automate」は、これまでMicrosoft Flowと呼ばれていた自動化ツールにRPA機能を追加したものであり、このRPAツールとしての2つの側面を両方とも備えています。
ベースとなったMicrosoft FlowはIFTTT的な連携サービスであり、フローチャートを作成するようなビジュアルな設定画面を用いて、インターネット上のさまざまなサービスを簡単に連携できます。
簡単な例では、Office 365のOutlookに自分宛のメールが来たら、電話サービスのTwillioで特定の電話番号にテキストメッセージを送る、といった設定ができます。
これらは全てMicrosoft Flowがそれぞれのサービスにコネクターを持っていることで実現できる連携機能です。
今回、新たに追加されたRPA機能では、ユーザーの操作を記録、再現することで、コネクターのないアプリケーションも自動化ができます。
下記はそのデモ画面。画面上やや右に、ユーザーの操作が記録中であることを示すボックスが表示されています。
記録された操作は、下記のように画面のどこに入力するのか、どこに結果が表示されるのか、といったことが操作順に表示され、確認、編集できます。
これにより連携用のAPIやコネクターを持たないアプリケーションに対しても、RPA機能で入力を行い、結果を得ることで連携をし、自動化することができます。
Microsoftは、顧客からの問い合わせなどに自動応答するbotをノーコード/ローコードで開発できるツール「Power Virtual Agents」も同時に発表しました。
Power Virtual AgentsとPower Automateを組み合わせることで、バーチャルエージェント=bot経由で、APIを持たない社内アプリケーションに対してもPower Automateを呼び出して入力と出力を得ることができるようになるため、botをユーザーインタフェースにした自動化が推進できると説明されました。
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