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楽天モバイル、3月3日に料金プラン発表 5Gサービスの全国展開は21年3月から

» 2020年02月13日 19時30分 公開
[谷井将人ITmedia]

 楽天の三木谷浩史社長兼会長は2月13日の決算会見で、携帯キャリア事業(MNO)で提供する通信サービスの料金プランを3月3日に発表すると明かした。質疑では価格帯などについての質問があったが、「お楽しみということで」と応じるなど余裕を見せた。

photo 楽天の三木谷浩史社長兼会長 2月13日の記者会見で撮影

 楽天モバイルは4月上旬に自前ネットワークによる携帯キャリアサービスを始める予定で、今も基地局の整備を進めている。3月には基地局数が約4400局になり、総務省に提出している計画値3432局を大きく上回る見込みだとしている。

 料金プランの発表日を3月3日に設定した理由について三木谷氏は「競合他社もさまざまな対策があると思う。あまり(サービスインの)直前に発表するのも競争戦略上良くない」と話した。プランの内容については「とにかく分かりやすい料金設定にしたい」(三木谷氏)としている。

 6月には5G通信サービスの提供も始め、21年3月には5Gの全国展開を目指す。携帯キャリア各社が今春にも5Gサービスを始めると見られている中、楽天モバイルは出遅れる形になるが、楽天の広報担当者は「まずは4Gサービスをきっちりと提供する必要がある」としている。

photo MNOサービスのロードマップ

 楽天の2019年第4四半期(19年10月〜12月)の売上は前年同期比15.1%増加の3582億円となり、過去最高を更新したものの、モバイルや流通分野での投資がかさみ、第4四半期の営業損益は402億円の赤字(前年同期比-771億円)、19年度通期では営業利益が727億4500万円(前年比57.3%減)と大幅減という結果になった。

photo 19年度通期の業績

 同社の18年度営業利益は、各四半期で200億円以上の黒字となっている。19年第1四半期(19年1月〜3月)は約114億円の黒字、第2四半期(4月〜6月)は約18億円の赤字、第3四半期(7月〜9月)は約11億円の黒字と推移しており、第4四半期が文字通り桁違いの赤字であると分かる。

 同社は6000億円を携帯キャリア事業への参入予算に当て、基地局整備などを行うが、この投資額について三木谷氏は「本当にこの価格でできるのかという話もあったが、本当にできているのが驚異的」と胸を張る。「革命を起こしている実感がある」(三木谷氏)。

 しかし、楽天モバイルはこれまで、基地局整備の遅れで本格サービスインが遅れた他、通信障害も発生するなどトラブルが続いている。総務省からは計4回の行政指導を受け、安定的かつ円滑なサービスを提供するよう求められており、サービスインまでにこれらの課題をこなせるか注目が集まる。

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