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太陽光で羽ばたく「バタフライロボ」は蝶よりも速い 中国の研究チームが開発Innovative Tech

» 2020年06月05日 15時21分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 常州大学と江蘇大学による中国の研究チームが開発した「Sunlight-Driven Continuous Flapping-Wing Motion」は、太陽の光だけで連続的に動作するフィルム型アクチュエーター(Flexible Bio-Butterfly-Wingと呼んでいる) だ。

photo Flexible Bio-Butterfly-Wingの概要図

 このデバイスは、薄いポリマーシートを金属薄膜でコーティングした2重構造。追加のハードウェアやケーブルを必要とせず、自然の太陽光だけを羽ばたき運動に変換することで動作する。

 実験では、フィルムの端を固定した状態で一定方向から光を当てテストした。光が当たると温度が上昇し、金属層とポリマー層の熱膨張の違いにより固定されていない方が曲がり、同時に自身の日陰部分の温度が下がり元に戻るように展開。この繰り返しで連続運動を実現する。

 曲がり方は光の当たる角度と、光の強さで決定される。

photo 異なる光の強度によってデバイスの曲がり方が変わる
photo 異なる角度の入射光によってデバイスの曲がり方が変わる

 達成された羽ばたき運動の最高周波数は4.49Hzで、本物の蝶の羽ばたき周波数を超えている。

photo 横方向から光を当てることで転がる円形デバイス

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