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Amazonの“転売ヤー”をブラックリスト化するツール、開発者に経緯や狙いを聞いた(1/2 ページ)

» 2020年09月24日 16時56分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 Amazonマーケットプレイスの"転売ヤー"をブラックリスト化できるツールがネット上で話題だ。9月21日に公開されるとTwitterで反響を呼び、「アマゾン転売屋ブラックリスト」が一時トレンド入りした。ツールを開発したのはフリーエンジニアの秀さん(@jackpot__hide)。Twitterで“開発宣言”をした後、子供が寝た深夜の時間帯を使い、実働わずか6時間で完成させた。秀さんはなぜこのツールを作ったのか。

 秀さんはこのツールをブックマークレットとして提供している。ユーザーは「アマゾン転売屋チェッカー」をブラウザのブックマークに登録後、Amazon.co.jp上で同ツールを起動し、高額出品している販売元をクリックすると、悪質な業者をリストに登録できる。リストに登録された業者は、Amazon上に「転売ヤー」と表示される。現時点ではAmazonのみに対応している。

photo 画面上に「転売ヤー」と表示される(出典:秀さんのnote)

 リストには、Amazonが出品者に付与する「セラーID」が登録されるので、出品者が名前を変えても対応可能。同じIDの業者が出品する全商品に「転売ヤー」と表示できる。

 リストを作ったユーザーは、自身のリストをツイートし、他のTwitterユーザーに共有することも可能。受け取った側は、Amazonのトップページでツールを起動し、10桁の「ブラックリストコード」を入力するとリストを利用できる。他のユーザーが作成したリストに転売ヤーを追加し、リストを強化できる機能も持つ。

 秀さんは「フォロワー数が多く、影響力が強いインフルエンサーが共有すると、ツールはさらに威力を発揮する」と話す。

 秀さんがツールを作ることにしたきっかけは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が「PlayStation 5」(PS5)の予約販売を始めた9月18日頃に、PS5を30万〜50万円で出品する業者がAmazonマーケットプレイスに相次いで現れたことだ。

 これを受けてTwitterでは怒りの声が上がり、高額出品者のリストを自主的に作成するユーザーも出てきた。秀さんも状況を問題視し、とあるTwitterユーザーに「転売業者データベースとか作って、Amazonで買うときに警告出すようなプラグイン作ろうかしら」とリプライ(返信)したところ、すぐに数百の「いいね」が集まった。慌てて「500いいね行ったら作成します」とツイートするも、それもクリア。いいね数は約750件に達した。

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