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オフィスの「トイレ引きこもり」問題をIoTで解決? 「トイレは広告設置に最適」

» 2020年11月13日 18時30分 公開
[石井徹ITmedia]

 昼下がりのオフィスビル。トイレの個室を長時間使う社員が多く、いつも満員で入れない。ビルを出てトイレを探しに行くわけにもいかずに便意に耐える……。都心のオフィスビルに勤める人なら「あるある」な話だろう。このトイレ引きこもり問題をIoTで解決しようとしたスタートアップがバカン(東京都千代田区)だ。「第1回 AI・人工知能EXPO【秋】」(幕張メッセ、10月28〜30日)に出展した同社のブースを取材した。

トイレに設置されたタブレットの表示イメージ

 同社の「Airknock Ads」(エアーノックアッズ)は、トイレの個室に設置するタブレット型の広告ソリューションだ。トイレ個室の空き情報表示サービスのオプションとして提供される。

個室の利用状況は外からも確認できる

 ユニークなのは、トイレの滞在時間を表示することで長時間居座っている人へ出るよう促せることだ。商業施設に設置した事例では、Airknock Adsの導入によって20分以上の滞在が1カ月に10件から0件へと激減したという。企業の人事から見ると、トイレに引きこもる従業員が減れば、サボりが減り、他の従業員の不満も軽減されるというわけだ。

 加えて、広告を表示する機能も持つ。通常、タブレットの設置時には費用負担が発生するが、広告収入によって黒字化も可能としている。「オフィスビルのトイレの個室は、その性質上、利用者の年齢、所得などの属性が限定される。さらに個室にパネルを置くことで視聴率も高い。広告の置き場所としての条件が揃っている」(展示担当者)

 バカンは人の移動を可視化するソリューションを手掛けるスタートアップ企業で、トイレ以外にも、美術館やレストランの混雑状況、災害時の避難所の空き状況などをアプリやサイネージで確認できる仕組みを用意している。

 レストランの混雑情報表示サイネージは、東京駅の地下街「グランスタ東京」などで採用されている。グランスタでの事例では、レストランの空き情報をスマホで表示した上で、順番待ちを申し込める機能も搭載していく。同社は今後、空き情報表示から一歩踏み込んだサービスを拡充し、展開を加速していく方針だ。

「第1回 AI・人工知能EXPO【秋】」でのバカンの展示ブース

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