言論の自由を掲げるSNS「Parler」のジョン・マッツェCEOは1月9日(現地時間)、サービスで利用している米Amazon.com傘下のAWSから、サービス提供を10日深夜に打ち切ると通告されたと自身のParley(Parlerへの投稿)で発表した。
ParlerはすべてのサービスをAWS上で運用しているため、サービス再開には1週間かかる可能性があるとしている。
Parlerは2018年立ち上げの、モデレーションをほとんどせず、「言論の自由を尊重する」と謳うSNS。昨年の米大統領選前後から、過激な発言でTwitterなどのアカウントを停止された保守派の人々などが大量に流入している。
米新大統領を承認する6日、連邦議会議事堂に乱入したトランプ氏支持者の多くはこのSNSで連絡を取り合い、「ペンスをまず殺れ」などと投稿していたと報じられた。
米Googleと米Appleは8日、Parlerのモバイルアプリをそれぞれのアプリストアから削除した。本稿執筆現在、Webアプリはまだ使える状態だが、AWSが通告通りサーバを停止すれば、これも使えなくなる。
マッツェ氏はAWSの通告の内容を説明していないが、米BuzzFeedが入手したとしているAWSがParlerに送った通告には「御社のWebサイトには最近、暴力的なコンテンツが確実に増加してきており、これは弊社の利用規約に反している。ParlerがAWSの利用規約を順守できるような効果的な対策を持っていないのは明らかだ」とある。
マッツェ氏は投稿で「Amazon、Google、Appleは、われわれの選択肢が限られており、大きな損害になることを知った上で意図的に協調してこの仕打ちをした。トランプ大統領を追放したのと同じだ」と3社を批判した。
「これはわれわれ全員(リベラルと保守派、無神論者とクリスチャン、黒人と白人)に対する戦いだ。彼らは言論の支配権を独占し続けたいのだ。彼らはわれわれが互いに戦い、憎み合うことを望んでいる」(マッツェ氏)
米国時間の11日午前0時過ぎに確認したところ、ParlerのWebサイトにアクセスできなくなっていた。
【更新履歴:2021年1月10日午後6時20分 AWSからParlerへの通告内容について補足しました】
【更新履歴:2021年1月11日午後8時10分 Parlerアクセス不能について追加しました。】
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