ITmedia NEWS >

Chromebook隆盛の陰でひっそり思い出す「Firefox OS」と「Fx0」デジタル・イエスタデイワンスモア計画(1/3 ページ)

» 2021年03月31日 16時10分 公開
[甲斐祐樹ITmedia]

 温故知新的に過去の魅力あるサービスやガジェットをいま改めて見直す本連載、第1回はやや変則的に、最新のサービスであるClubhouseを起点としてTwitterと比較する形で振り返りを行ったが、今回は本来の趣旨通り、過去の製品やサービスを取り上げたい。

 実質的な第1回とも言える今回のテーマは、かつてiOS、Androidに続く「第3のOS」とも称されたスマートフォンOS「Firefox OS」だ。

Firefoxブラウザに特化したスマートフォンは実質1機種で販売終了

 Firefox OSは、その名の通りPC向けWebブラウザ「Firefox」で知られる米Mozilla Foundationが開発したスマートフォン向けOSだ。日本では開発者向けにT2Mobileの「Flame」が2014年7月に発売され、続く12月にはauが一般ユーザー向けのラインアップとして「Fx0」を発売。当時としては非常に充実したスペックで話題を集めたFx0だったが販売状況は思わしくなく、一般向けに流通した端末としてはFx0が最初で最後のFirefox OSスマートフォンとなった。

 Firefox OS最大の特徴は、ブラウザのみで完結する端末ということだ。Firefoxと同じブラウザエンジン「Gecko」を搭載しており、対応アプリはブラウザで動作する仕組みになっているため、実際のところはアプリというよりもブラウザのショートカットに近い挙動だった。

 なお、2014年にはECサイト大手のAmazonもスマートフォン事業に乗り出しており、台湾Foxconnが開発した「Fire Phone」を2014年7月に発売している。

 名前がFirefox OSに似ているだけでなく、内蔵Webブラウザのみで完結するというコンセプトもFirefox OSと同じ。4つの前面カメラとジャイロスコープで奥行きのあるUIを表現する「ダイナミック・パースペクティブ」など斬新な機能を搭載した端末だったが、こちらも販売不振で翌年には生産および販売を中止し、残念ながら国内では未発売。Amazon最大の失敗、ともいわれるほどの結果となった。

photo
photo 左からFlame、Fx0、そしてなぜか手元にあるFire Phone
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.