ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

杉並区、被虐待児の出欠確認アプリをノーコード開発 早期発見に活用

» 2021年06月15日 15時30分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 東京都杉並区がノーコード開発ツール「kintone」を活用し、虐待を受けているとみられる児童の保育園や学校における出欠状況を自動集計するアプリを開発した。まずは区立保育園37カ所で導入。順次私立保育園や幼稚園、学校にも導入を進める。サイボウズが6月14日に発表した。

 杉並区ではこれまで、虐待を受けているとみられる児童の出欠状況などを保育園や学校から月に1回メールで受け取り、表計算ソフトで整理してから児童虐待への対応に活用していた。しかし毎月約100件のメールが来ることから、手作業では集計に時間がかかり、状況把握の遅れにつながっていたという。

photo 開発したアプリのイメージ

 開発したアプリは、保育園などの職員が児童の様子や出欠状況などをアプリに入力すると、データを自動で表にする仕組みに。集計の手間を省くことで、被虐待児の現状をより早く把握できるようにしたとしている。

 杉並区によればコロナ禍の影響で学校・保育園の休止や外出自粛が続いた結果、ストレスで家族関係が悪化し、児童虐待につながるリスクが高まっているという。同区は今後、子供の食事の状況を確認するアプリもkintoneで開発し、虐待の早期発見に役立てる方針。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.