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ソニー「ZV-E10」はレンズ交換できる民生用ビデオカメラ 新しい市場を作るか荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/2 ページ)

» 2021年07月28日 08時47分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 やはりソニーは面白い。ここぞと思ったら中途半端で終わらせない、という強さだ。7月27日の深夜に発表した「VLOGCAM ZV-E1」を見て改めてそう感じた。

「VLOGCAM ZV-E1」。キットレンズはE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS

 2013年の「α7」登場時、そのデザインはけっこう酷評されたし、当時はまだ一眼レフの方が強く、ミラーレス一眼の主戦場はマイクロフォーサーズやAPS-Cサイズだった。

 でもα7のデザインコンセプトを変えず、2代目、3代目(途中で高画素版のRや高感度版のSも展開しつつ)と着実に進化し、とうとうデジタル一眼のトップに立ったのだ。

 今や、α7シリーズを使ってるプロカメラマンも(若い人を中心に)すごく増えてる。

 で、このままαシリーズを発展させていくのかと思いきや、αだけどαじゃない、Cyber-shotだけどCyber-shotじゃない新しいシリーズを手がけたのだ。

 それが2020年6月に発売した「VLOG CAM ZV-1」。

2020年6月に発売した「VLOG CAM ZV-1」

 もともとソニーのカメラは動画にも強かった。やっぱ自社でシネマカメラも開発してるし。でもαシリーズは「動画に強いデジカメ」だった。

 ZV-1は見た目や基本技術はCyber-shotそのものなのだけど、「写真も撮れるビデオカメラ」になったのである。映像作品を撮るためのビデオカメラではなく、民生用ビデオカメラ。

 かつて民生用ビデオカメラといえば「運動会需要」が主だったのだけど、ビデオカメラのニーズがYouTubeとかV-logとかリアルタイム配信にシフトしたのに合わせて定義し直したのがZV-1だと思う。

 「RX100」シリーズをベースにしながら、動画を撮りやすいようモニターをバリアングルにし、ポップアップ式ファインダーを外して代わりに(ほぼウインドスクリーン装着用の)アクセサリシューを付け、動画撮影には不要な撮影モードダイヤルを排除。

撮影モードダイヤルを排除したZV-1

 RX100シリーズのバリエーションに見えながら、よく見ると動画撮影に特化しているのだ。

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