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現povoユーザーが物申したい、「ココが違うよpovo2.0」小寺信良のIT大作戦(1/2 ページ)

» 2021年09月30日 08時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

 KDDIの格安プラン「povo2.0」がどうもしっくりこない。

 現在提供されているpovoは、20GB/2728円(月額)というベースプランに、機能をトッピングしていくだけのシンプルなサービスだ(以下、価格は税込)。2.0はさらに「お客さま一人一人が自分のライフスタイルに合わせて利用するプラン」として、ベースプランを0円に設定し、データ通信も含めて全てをトッピングとして、いつでも足せるように再設計された。基本料金0円や、60GB(90日間)トッピングを使えば実質20GBが2163円/月で利用できることから、楽天モバイル対抗といわれている。

 楽天モバイルのプランは、1GBまでは0円、20GBまで2178円、それ以降は3278円で使い放題である。ただしこのプランが丸ごと当てはまるのは自社回線接続時に限られており、カバーエリアの拡充が急務となっている。

photo テレビCMでもおなじみ、楽天モバイルのプラン

 一方povoはau回線なのでカバーエリアの問題はない。筆者もauからpovoへ乗り換えて利用しているが、もともとキャリアメールは利用していなかったので、使い勝手は何も変わらなかった。しかも2021年の春〜夏は地方でテザリングする機会が多かったため、20GBぐらいでちょうどよかった。その点では、固定料金プランにはずいぶん助けられたといえる。

 では実際、旧povo(povo1.0に改名予定)ユーザーは、povo2.0に乗り換えるべきなのか。現povoユーザーの筆者が、povo2.0のしっくりこない点をお話してみたい。

「ベースプラン0円」のモヤッと感

 ベースプランが0円となったことで、低価格で回線を維持したい人にはある程度のメリットがあるのは事実だ。ただ完全に0円のままで済むかといえば、そうではない。

 ベースプランの内訳を見てみると、月額基本料は0円だが、「180日間以上有料トッピングの購入などがない場合、利用停止、契約解除となることがあります」との注意書きがある。つまり6カ月に1回は、なんらかの有料トッピングの購入が必要となる。

 またベースプランの月間データ容量は0GBとなっており、楽天モバイルの1GBまで0円とは違う。また通信速度も送受信最大128kbpsとなっており、これは多くの通信サービスで採用されている、通信量超過時の速度制限と同じだ。

 トッピングにはデータトッピング、通話トッピング、コンテンツトッピングの3タイプがあり、最安を探すと、コンテンツトッピングの「smash.使い放題パック(24時間)220円」が一番安いようだ。次いでデータトッピングの「データ使い放題(24時間)330円」 である。回線を維持するためには、これらを半年に1回購入することになる。

photo ベースプラン0円ですべてトッピングで乗せるスタイル

 ベースプランのみの状態でも、国内通話料やSMS送信料は従量制になっているので、電話をかけたりSMSで返信したりすれば、それなりにお金がかかる。ベースプラン0円は事実ではあるが、0円のままでいられるわけでもない。本当に0円のままで過ごしたいという需要がどれぐらいあるのか分からないが、ここにあまりフォーカスすべきではないと思う。

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