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出身地ガチャが生み出すGIGAスクール格差 高校の1人1台端末導入はどうなる?小寺信良のIT大作戦(1/4 ページ)

» 2022年01月19日 11時14分 公開
[小寺信良ITmedia]

 年明けの1月11日、文部科学大臣およびデジタル大臣が文科省サイトにて、「高等学校における1人1台端末の環境整備について」というメッセージを出した

 要するに、高校での1人1台端末導入が遅れているのをなんとかしてくれないかと、言い方はマイルドだが地方自治体のケツを蹴り上げた格好である。すでに2021年末、ほぼ同様の内容の通達を文科省が出しており(PDFへのリンク)、それを大臣が補強した格好だ。

photo 文部科学大臣・デジタル大臣からのメッセージ

 GIGAスクール構想により、令和3年(2021年)度からほとんどの公立小中学校で1人1台端末の環境が整備された。この端末は公費負担であり、子供たちには貸与という形で支給されている。一方で高校は、GIGAスクール構想から外れているわけではないにも関わらず、端末整備については公費が投入されておらず、導入が遅れている。

 そしてこの4月には、GIGAスクール構想第1期生ともいえる現中学3年生が、高校生になるわけだ。

 これまでデジタル機器で学習してきた子供が、高校に入った途端、黒板とチョーク、紙とシャーペンでの学習に逆戻りする。大臣のメッセージは、それをなんとかしてくれという話なのである。費用が問題なら、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を使ってもよいとする方針も示されている。

 実はうちにも今年高校に進学する子供がおり、まったく他人事ではないのだが、高校生への1人1台端末導入は、結構ハードルが高い話ではないかと感じている。

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