News:ニュース速報 2000年12月15日 08:11 更新

今年のヒット商品は「デジタル」と「人間の生々しさ」──電通レポート

 電通は12月14日,「2000年の話題商品・ヒット商品」レポートを発表した。「IT革命」が流行語大賞に選ばれたように,総じてデジタル関連で数多くのヒット商品が生まれた一方で,人間らしさを取り戻したいという欲求も高まったと分析。「『デジタルの力』と『人間の力』,新旧の力が同じ土俵の上に共存している」点が2000年の傾向だったとまとめている。

 デジタル関連では,「プレイステーション 2」や「PDA」,「デジタルカメラ」,「半導体音楽プレーヤー」などの新しい商品が次々に誕生登場。新しいデジタル機器やサービスの登場で,移動電話と固定電話の加入者数,銀塩フィルムとデジタルカメラの出荷金額,PCと家庭用TVの出荷台数など,従来の機器やサービスを追い越すという現象も起きた。

 さらにインターネットは消費行動も変化させつつある。書店や銀行からコンビニまでがオンライン化され,「『居ながらにして全部済む』はもはや夢ではなくなった」(同レポート)。さらに「ネットオークション」や出会い系などの「コミュニティサイト」の流行は,「バーチャルに見えて実はリアルな人と人とのつながりが展開される『Webエクスペリエンス』」(同)という新しい人間関係とライフスタイルを生んだ。

 急速に進むデジタル化の反動からか,生身の人間のパワーにも人気が集まった。「シドニーオリンピック」や“ON対決”に注目が集まった「プロ野球日本シリーズ」に興奮し,最終回が視聴率40%を超えた「ビューティフルライフ」が感動の輪を広げ,「ミレニアム結婚・出産」に未来を託した。さらにバーチャルでは体験できない「五感に関わること」が再評価された。「キックボード」が街を駆け抜け,クラブは「パラパラ」を踊る紳士淑女でにぎわいを見せた。

 デジタル化が生活を変えつつある一方で,人間の生々しさに立ち返る動きも見られた20世紀最晩年。同レポートでは「寄せるデジタル,返すは人の底力。」というキーワードで振り返っている。

関連リンク
▼ 電通のニュースリリース

[ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.