News:ニュース速報 | 2001年2月6日 04:54 更新 |
日立製作所は2月6日,システムLSIの最大消費電力を低減する新技術「半導体チップOS技術」を開発したと発表した。OS技術をシステムLSIの回路設計に利用したもので,最大消費電力を従来比約4分の1に抑えることができるという。
新技術は同社中央研究所が開発。OSで利用されているリソース管理技術をシステムLSIの回路設計に応用した。OSはプログラムを複数のブロックに分割し,各ブロックへのCPU処理能力とメモリの割り当てを統括的に管理する方法で処理を効率化している。新技術はこの仕組みを応用し,システムLSIを構成する回路を複数のブロックに分割して設計。各ブロックへの電力割り当てをチップOSが統括管理することで,大型回路を高速に実行できる上,消費電力を抑えることも可能になるという。
システムLSIは微細化と高集積化で性能向上が進んできたが,それにともない最大消費電力も増加する一方。消費電力の増加がチップ性能向上のネックとなる“チップ電力危機”が指摘され始めている。新技術では最大消費電力を設定値以下に抑えることができるため,これまで電力の制限によって実装できなかった大規模回路も可能になるという。同社によると,RISCプロセッサ「SH-4」相当のマイコン4つを搭載した大規模システムLSIでシミュレーションした結果,新技術を使用すると最大消費電力を約4分の1に抑えることができたという。
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