News:ニュース速報 2001年2月7日 02:52 更新

ソニー,13型有機ELディスプレイの開発に成功

 ソニーは2月7日,13型有機ELディスプレイの開発に成功したと発表した。同社によると,13型サイズは現時点で世界最大。低温ポリシリコンTFTを使用したアクティブマトリクス型で大画面化と高輝度・高精細化を達成できる新技術を利用した。家庭用TVやPCディスプレイなどへの応用を目指し,2003年をめどに量産化技術を確立する。

 試作機は13型(264×198ミリ)で800×600ピクセル,フルカラー表示が可能。輝度は300カンデラ/平方メートル。

 有機ELディスプレイは,高輝度で薄型,極めて早い応答速度などの特徴を持ち,現在主流の液晶ディスプレイに代わる次世代デバイスとして本命視されている。だが現状の方式では大画面化すると画面上の輝度にばらつきが出てしまうなどの問題が多く,当面は携帯電話やPDAなどの小型ディスプレイへの応用が研究されている段階だ。

 ソニーが開発した新技術「TAC」(Top emission Adaptive Current drive)では,従来の低温ポリシリコンTFT利用のアクティブマトリクス型を改良したもの。電圧書き込み方式画素回路で用いられる2TFT型回路を4TFT型回路に変更して輝度のばらつきを抑えた。またTFTガラス基板側に光を取り出す構造を,基板上部から光を取り出す構造に変え,TFTの配置に光量が影響されない構造を実現。開口率が上がり,高輝度化が可能になったという。

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