News:ニュース速報 2001年7月18日 09:23 PM 更新

「自分のHPを開こう」で始まるマルチ商法に注意 国民生活センター

 国民生活センターは7月18日,「ホームページの有料レンタル会員を増やせば報酬も増える」などと会員を勧誘するマルチ商法について,相談が集中している米国の会社名を挙げてユーザーに注意を呼びかけた。

米Skybiz.comのWebサイト。各国語に混じって日本語で「ようこそ」の文字が見える

 国民生活センターが挙げたのは,米Skybiz.com。米連邦取引委員会(FTC)は6月,「違法な販売を行っている」などとして米連邦裁判所に提訴し,連邦裁判所は同社の活動の一時停止と財産凍結を命じているという。

 Skybiz.comは「サーバを借りてホームページを開くユーザーが増えれば多額のボーナスがもらえる」などと勧誘。入会する際,自分を勧誘した上位会員に125ドルを支払う。入会者も勧誘活動を行い,子供会員,孫会員,ひ孫会員……と自分の下位会員を増やしていく。下位会員は「ファミリー」として自分の傘下になる。

 1週間ごとに,ファミリーの合計人数に応じてSkybizから「ボーナス」が支払われる。1週間で50人増えると420ドル,2000人増加すると1万6800ドル。ただ1週間後にファミリーが所定の人数に達していない場合,新たな金額は支払われない──などという仕組みだ。

 同センターに7月2日までに寄せられた相談合計748件のうち,86%がSkybizに関連していた。昨年から20代の学生らを中心に広まり,口コミや集会で勧誘が行われた。相談者が支払った額は平均で12万4000円,総額3674万6000円に上っている。

 相談の内容は「友人に熱心に誘われて講演会に行き,11口分支払った。しかし新会員を勧誘できず,やめたいけれど金をを支払った上位会員の連絡先が分からない」(20歳男性),「大学の友人の先輩に『ホームページ作成内職をやらないか』と誘われ入会した。3口分を立て替えて支払ってもらったが,親に相談したらマルチ商法のようだと言われたので解約したいと思い,友人の先輩に伝えたら逆ギレされ,受け付けてくれない」(19歳女性)などで,相談者の6割が未成年者や20代の若者だ。

 Skybizについて,同センターは(1)ボーナス取得を目的としたシステムなのに,勧誘時にはホームページを持つ楽しさをうたっている,(2)入会者に領収書や契約書,販売システムの説明書などの資料が渡されず,解約したくても連絡先が分からない,(3)国内に支社がなく,トラブルの解決がのぞめない──などの問題点を指摘。「マルチ商法で簡単に利益が得られるはずはない。外国に本部がある組織の場合,被害の救済は困難」とネットを舞台にした国際的な“おいしい話”に安易に飛びつかないよう注意を呼びかけている。

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