News:ニュース速報 | 2001年9月7日 07:25 PM 更新 |
UNIX系システムの一部で誤動作を起こす可能性がある「2001年9月9日問題」の当日が近づいた。一部で問題が発生する可能性があるアプリケーションが見つかっているが,ほとんどの製品についてベンダー側は「問題なし」としており,影響は小さいとの見方が大勢だ。ただ多くの一般ユーザーが対象となる9月9日問題もある。
UNIXの時間管理は,1970年1月1日(世界標準時)からの秒数経過で行っている。10進数で経過秒数をカウントすると,2001年9月9日に9けたから10けたになる。このため経過秒数をプログラム中の固定領域に代入している場合,領域を9けたしか確保していなければ,けたがあふれて誤動作を引き起こす。これが「2001年9月9日問題」だ。
この問題にサーバメーカーやソフトベンダー,SIら各社がユーザー向けにWebサイトで注意を促している。伊藤忠テクノサイエンス(CTC)のWebサイトの説明によると,「一般的に経過秒数時代を固定領域に格納すること自体がまれな上,固定領域に格納していたとしても32ビットの整数値で表現できるけたが10けたなのは既知であり,9けたしか確保していないケースは少ないと考えられる」とし,問題が発生する可能性は「極めて低い」との見方だ。
比較的古い製品や,ベリタスの一部製品などで問題が報告されているが,SolarisやTru64 UNIXなど各社のOSや,最新のアプリケーションについてはほとんどが“問題なし”とされている。
ただしこれは2000年問題を解決済みのシステムであることが前提になっている。管理者はUNIX関連アプリケーションを扱うベンダーのWebサイトなどでアナウンスを確認する必要がある。
この9月9日問題はUNIXシステムの問題なので一般ユーザーへの直接の影響は少ない。ところが一般ユーザーにとってやっかいな「9月9日問題」もある。マイクロソフト「Windows Me」の「2001年9月8日よりも後の復元ポイントが利用できない」問題だ。
この問題では,Windows Meで2001年9月9日以後に復元ポイントを作成し,その後で復元ポイントを選択してOSを元の状態に復元しようとしても,復元手順が実行されないというもの。つまり9月9日以降はWindows Meのシステム復元機能は実質的に使えなくなる。
これについてマイクロソフトは「復元ポイントファイル名の算出に使用されるアルゴリズムが2001年9月8日を過ぎると機能しなくなるため」としてにWindows Meに原因があることを認めている。既に修正ファイルが公開されており,インストールすることで問題は解決する。
ただし注意書きが。「修正ファイルのインストール前に作成された復元ポイントは,修正ファイルのインストール後,使用できなくなる」(同社)。つまり9月9日以降に問題に気付いて修正ファイルをインストールしても,いずれにせよ以前の状態に復元はできないということになる。
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マイクロソフト「2001年9月8日よりも後の復元ポイントが利用できない」
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