News:ニュース速報 2001年9月26日 07:45 PM 更新

手話をPCで自動通訳 日立が開発,頭部の動きも検知

 日立製作所は9月26日,手話をPCで日本語に自動通訳する「手話-日本語翻訳技術」を開発したと発表した。グローブ型インタフェースで手指の動きを,ビデオカメラで頭部の動きを検知してPC上で日本語テキストに自動的に変換して表示する。キオスク端末への搭載などの応用展開を図る。

 日本手話では,手指動作と頭のうなずきを組み合わせて文意を表現する。例えば「私・パソコン・本・買う」という単語列を表現する場合,「私・本・買う」の手指動作と合わせてうなずくと,「私はパソコンの本を買います」と翻訳される。さらに「パソコン」の部分でうなずくと「私はパソコンと本を買います」という意味になる。

 従って手話自動通訳システムでは手指以外の動きを検知する必要があった。日立は手話サンプル約2500を分析して頭部動作の種類と文法的機能を分類し,新たに手話文法ルールを作成。ルールを解析処理で利用できる形式に記述可能にした。

 新技術は,新ルールに従って(1)入力された手話文の文型を決定,(2)文型に適合する手話単語を選び,単語列を生成,(3)意味属性変換ルールに従って単語の役割や文の種類を決定──といった過程を経て助詞や語尾変換を補完,日本語文章を生成する。動作認識はリアルタイムに行える。

 新技術は,経済産業省の「リアルワールド・コンピューティング(RWC)プロジェクト」を実施する技術研究組合 新情報処理開発機構(RWCP)に参画,産業技術総合研究所の協力で開発された。成果は10月3日からの「RWC2001最終成果展示発表」(東京ファッションタウン)に出展する。

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