News:ニュース速報 2001年11月26日 04:43 PM 更新

CSK,アスキーの経営権譲渡を正式発表 IT出版軸に「選択と集中」

 CSKは11月26日,アスキーの経営権を独立系投資会社のユニゾン・キャピタルに譲渡すると正式に発表した。ユニゾンは最大30億円の増資に応じ,アスキー本体はIT関連出版社として事業を絞り込む。2002年にもアスキーは持株会社化し,ゲーム関連出版子会社のエンターブレインと事業整理後のアスキーを事業子会社化する。

 CSKはユニゾン・キャピタルが運営するファンド「ユニゾン・キャピタル・パートナーズL.P.」に2002年3月30日付で経営権を譲渡する。CSKは保有するアスキーの発行済み株式総数の51.8%(9月末時点で簿価65億円)すべてをアスキーに無償譲渡し,アスキーは譲渡された株式を消却,ユニゾンがアスキーの第三者割当増資を引き受ける。

 CSKは企業向けIT関連サービスを中心に事業再編を進めており,コンシューマー向け事業が中心のアスキーを継続支援するのはリスクが増えると判断した。連結で債務超過約79億円(2001年9月期)を抱えるアスキーが連結対象から外れることで,CSKの連結純損益は大幅に改善する見込みとしている。

 ユニゾンによると,同社はアスキーに対し最大30億円を増資。アスキーの既存借入の一部について債権放棄が行われ,アスキーの債務超過は解消するとしている。

 ユニゾンは経営権取得後,アスキーの事業分野を出版中心に大幅に絞り込む。「月刊アスキー」「週刊アスキー」などの基幹雑誌を強化,そのほかの雑誌や書籍の刊行計画を「戦略的再構築」(ユニゾン)する。ソフト開発などの非出版事業は「選択と集中」(同)を進める。

 持株会社化は2002年10月をめどに実施し,IT関連出版とエンターブレインのエンターテイメント事業の2つを中核に据える考え。アスキーの非公開化や組織再編も検討するという。

 CSKは創業者の故・大川功氏が1998年,経営難のアスキーを救済する形で出資,1999年に子会社化した。しかしアスキーはその後も黒字転換できず,2001年9月中間期で連結約79億円の債務超過に陥っている。11月20日には出版担当常務を取締役に降格,執行役員4人を解任する人事を実施している。

 ユニゾン・キャピタルは消費者金融のオリエント信販(東京・千代田区),酒類ディスカウント販売チェーンのマインマート(横浜市)に出資している。

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