News:ニュース速報 2001年12月6日 04:27 PM 更新

Alizが猛威,IE欠陥を突くウイルスが続出 IPA11月調査

 情報処理振興事業協会(IPA)セキュリティセンターは12月6日,11月のウイルス届出状況をまとめた。Internet Explorerのセキュリティホールを攻撃するウイルスが続出,前月に比べ届出件数は2倍以上増えた。

 届出総数は2766件で,前月(1241件)に比べ急増。過去最悪の8月(2809件)に迫る勢いだった。種類別ワーストワンは「Aliz」の1020件で,新種ウイルスの発生月届出件数としては「Sircam」の520件の2倍となる過去最悪となった。2位は「Badtrans」,3位は「Hybris」,4位は「Nimda」,5位は「Magistr」。

 AlizやBadtrans,Nimda,「Klez」などはNimdaと同様にIEのセキュリティホールを悪用して侵入する。Outlookではメールを開いただけで,Outlook Expressではプレビューしただけで感染するため,セキュリティホールを防がない限り,ウイルスメールが送られてきた場合は感染する可能性が極めて高い。

 同センターは「年末年始に向けてメールのやり取りも増えてくる。グリーティングカードに見せかけたウイルスが登場する可能性もあり,事前の予防が必要」としてアンチウイルスソフトの導入やセキュリティホールの解消などを呼び掛けている。

 しかしこうした呼び掛けに限界を指摘する声もある。「IPAやコンピュータ系ニュースサイトをチェックするユーザーならとっくにセキュリティホールはふさいでいるか,そもそも狙われやすい製品は使ってないだろう。ウイルス情報にまったく関心がないユーザー層にどう訴えるかを考える時期では」(システム管理者)。

 また「まったくの初心者をターゲットにセキュリティに穴がある製品を売り続けてきたメーカーの責任だ。ゴールデンタイムに新OSのCMやるくらいなら,『ちゃんとセキュリティパッチを当てましょう』と呼び掛けるCMをガンガン流すのがトップ企業の社会責任というものだろう」(別の管理者)と1日に数百通届くウイルスメールにキレ気味の指摘も。

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[ITmedia]

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