News:ニュース速報 | 2001年12月6日 05:48 PM 更新 |
日立製作所は12月6日,「歪(ひずみ)シリコントランジスタ」の高速化技術を開発したと発表した。微細化に頼らないCMOSデバイスの性能向上につながるという。
歪シリコントランジスタは,シリコンゲルマニウム層にシリコンを積層し,その結果生じるシリコンの格子歪を利用して電子移動度を高くしたトランジスタ。シリコンに引っ張り歪を与えると電子移動度が向上することから,シリコンより格子間隔が大きなシリコンゲルマニウムの上にシリコンを積層することで引っ張り歪を与える構造を,トランジスタのチャネル層に採用することで高速化する。
日立中央研究所は,シリコンゲルマニウム層の平坦性が低いと電子移動度が低くなる現象を見つけた。このためシリコンゲルマニウム層を原子レベルで平坦な表面粗さ0.4ナノメートルの表面を形成するなどした結果,通常のシリコントランジスタに比べ,電子移動度が120%,正孔が42%向上することを確認した。出力電流もnチャネルで70%,pチャネルで51%アップした。
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