News:ニュース速報 | 2001年12月19日 06:20 PM 更新 |
トレンドマイクロが12月19日,2001年のコンピュータウイルス感染被害をまとめた年間レポートを発表した。ソフトのセキュリティホールを突いたウイルスによる大規模被害が相次いだが,今後は不正アクセスの“踏み台”を作るタイプの増加を予測している。
1月1日から12月14日までのデータをまとめた。感染被害がもっとも多かったのはファイル感染型の「MTX」(マトリックス)で,2000年9月に見つかった“古株”にもかかわらず脅威は衰えていない。ワースト2は11月発見のワーム「Badtrans.B」。3位はファイル感染型「Magistr」だった。
同社によると,今年は複数の感染経路を持つ「ネットワーク型ウイルス」の脅威が本格化した。「Nimda」はメール送信とネットワークドライブへのファイルコピー,セキュリティホールからの侵入,HTMLへのスクリプト埋め込みなど多数の手段で被害を拡大した。特に「Nimda」「Badtrans.B」「Aliz」「CodeRed」などはマイクロソフト製ソフトの欠陥を突くもので,ユーザー数が多いだけに被害規模も大きくなった。
同社は今後について,不正アクセスの準備を行うウイルスが増えると見ている。常時接続の普及で実質的に固定されたIPアドレスが多くなり,その分クラッカーにとっては“チャンス”も増える。バックドアを仕込むトロイの木馬なが無防備なPCにバックドアを作成し,サイト攻撃の際に踏み台に使うといった手口も増えるだろう。
同社はウイルス対策に加え,今後は個人ユーザーもファイアウォールなどを導入し,不正アクセスに備える必要があるとしている。
トレンドマイクロがまとめた2001年のウイルス被害ワーストランキングは以下の通り。
順位 | ウイルス名 | 種類 | 被害件数 | 発見時期 |
1 | MTX | ファイル感染型 | 5300 | 200年9月 |
2 | Badtrans.B | ワーム | 2095 | 2001年11月 |
3 | Magistr | ファイル感染型 | 1759 | 2001年3月 |
4 | Hybris | ワーム | 1635 | 2000年11月 |
5 | Sircam | ワーム | 1299 | 2001年7月 |
6 | Nimda | ファイル感染型 | 1044 | 2001年9月 |
7 | Aliz | ワーム | 946 | 2001年9月 |
8 | Laroux | マクロ型 | 757 | 1997年11月 |
9 | Bymer | ワーム | 400 | 2000年10月 |
10 | Haptime | VBスクリプト型 | 343 | 2001年4月 |
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