News:ニュース速報 2002年2月5日 03:45 PM 更新

0.1ボルト駆動のCMOS ICを試作 日立とMIT

 日立製作所中央研究所とマサチューセッツ工科大学(MIT)は2月5日,0.1ボルトで駆動するCMOS集積回路を世界で初めて試作したと発表した。モバイル機器などの低消費電力化につなげる。

 システムLSIの低消費電力動作には低い電圧での駆動を実現する必要がある。日立は基板バイアス制御技術を,MITは電源電圧制御技術をそれぞれ研究。基板バイアス制御と電源電圧制御を同時に行った場合に,単独制御より効果的に低電力動作を実現できる条件があることを発見した。

 ゲート長0.14μメートルのMOSデバイスによる16ビット積和演算器に適用したところ,電源電圧制御単独に比べ30%の低電力化を実現できた。また積和演算器で0.175ボルト,積和演算器規模のリングオシレータで0.1ボルトの動作を確認した。0.1ボルトは,室温駆動のCMOS回路が駆動できる理論的限界とされる。

 新技術は,米サンフランシスコで開かれている国際固体素子回路会議(ISSCC)で発表する。

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