News:ニュース速報 2002年2月13日 05:20 PM 更新

シグマがレンズ交換式一眼デジカメ発表,FoveonのRGB1ピクセル感知CMOSを搭載

 交換レンズメーカーとして知られるシグマは,レンズ交換式一眼レフデジタルカメラ「SIGMA SD9」を発表した。米Foveonが開発した,RGBを1ピクセルでキャプチャするCMOSセンサーを搭載した。価格・発売日は未定。米国で2月24日に開幕するPMA2002に参考出品する。


 FoveonのCMOSセンサーは,1ピクセルでRGB各色をキャプチャできる画期的な新デバイス。通常のセンサーは,センサー上に格子状に配列したフィルターによって色を認識する。この場合,1ピクセルで1色しか認識できないため,残り2色を補間する際に偽色が発生するなど,画質劣化につながる場合があった。

 Foveonの「X3」では1ピクセルに3層のディテクターが階層的に配置されており,ピクセルに入射した光を各ディテクターがRGB各色を認識,フルカラー画像を生成する。偽色の発生を抑え,鮮明な画像と忠実な色再現が可能という。

 「SD9」に採用されたセンサーは20.7(横)×13.8(縦)ミリのアスペクト比3:2。1ピクセルでRGBを感知するため,総画素数は「約354万画素×3」(有効画素数は約343万画素×3)と表記されている。記録画像のサイズは2268×1512ピクセルとなる。RAWデータ記録にも対応している。感度はISO 100/200/400相当となっている。


 レンズマウントはシグマの「SAマウント」で,同社製交換レンズが使用可能だ。AFはシングルとコンティニュアスの2方式。ファインダー倍率は0.77倍だが,撮影可能範囲の外も見える「スポーツファインダー」を採用した。例えば35mm一眼レフと同じペンタプリズム・ボディを使えばレンズのイメージサークルはそのまま活かせるため,センサーが135フィルムサイズより小さい場合のファインダー視野は撮影範囲と比べて大きくなる。スポーツ写真などでは撮影範囲外の状況把握も重要になるため,これは面白い発想だ。1.8型TFT液晶ディスプレイも背面に備えている。

 記録メディアはコンパクトフラッシュを採用。Type IIにも対応し,マイクロドライブを利用できる。PCとはUSB1.1とIEEE 1394で接続できる。電源は3ボルトリチウム電池(CR123Aタイプ×2)と,3ボルトリチウム電池(CR-V3タイプ)×2,単3形×4(アルカリ電池,ニッケル水素,ニッケル)のいずれか。サイズは152(幅)×120(高さ)×79(奥行き)ミリ,重さ803グラム(電池除く)。

 望遠マクロレンズや,カメラメーカーを差し置いての超音波モーター採用レンズの開発など,安価ながら新機軸のレンズを送り出しているシグマがやってくれました。「SD9」の価格はぜひ“シグマらしさ”を期待したい。

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