News:ニュース速報 2002年3月28日 05:32 PM 更新

富士通研,超高速・高密度デバイス向け分子エレクトロニクス材料を開発

 富士通研究所は3月28日,超高速・超高密度デバイスを実現できる分子エレクトロニクス材料の合成に成功したと発表した。分子スケールで回路を三次元的に集積化でき,デバイスの動作速度やメモリ集積度を「3けた」向上できる可能性があるという。


集積化有機-無機ハイブリッド物質

 分子エレクトロニクスは,有機分子の特徴である電子の局在化を利用する概念。0.5ナノメートル程度の有機分子1個に1ビットを割り当てることで高い集積度を持つデバイスを実現する。だが分子それぞれに蓄積されたデータへのアクセス手段や,分子の安定性に問題があり,実用化は進んでいない。

 富士通研の新材料は,有機分子と遷移金属を組み合わせた「有機-無機ハイブリッド物質」を合成。有機分子の自己構造制御特性と,遷移金属原子の高い導電性や磁性,非線型光学機能を兼ね備えた。分子の安定性が高く,分子へのデータアクセスも容易という。また3次元的に分子を集積できるため,超高密度メモリや超高速光スイッチなどへの応用が可能としている。  今後,新材料を使って3次元回路集積化の検討を進め,スイッチングデバイスなどの原理素子の実現を目指す。

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