アメリカ式の「ひろびろデスク」はもう古い? デルがオフィス環境をゼロから見直した理由

2016年02月29日 10時00分 更新
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 これまで企業のオフィス環境といえば、社員1人1人が自分のデスクで働くためのスペースや会議室で構成するのが一般的だった。しかし近年では生産性向上などを目的に、リフレッシュスペースの設置やフリーアドレス化といった施策に踏み切る企業が増えつつある。それらの企業に対して「うらやましい」と感じる人もいる一方、本当に業務上の効果があるのか疑問視している人もいるだろう。

 そんな中、今年1月にオフィススペースの大改装に踏み切ったのが、PC/タブレットやワークステーション、サーバ製品などで知られるデルだ。ワンフロア全体を1つの業務空間と見立て、さまざまなビジネスシーンに合わせてオフィス空間を設計したという。その新オフィススペースに早速訪れ、大規模リニューアルに込めた狙いを聞いてみた。

アメリカ式の「ひろびろデスク」では不十分? 改革に踏み切ったわけ

 新オフィススペースに入ってまず感じられるのは「多様さ」だ。立ち仕事スペースや集中ブース、ファミレス風のコラボレーションブースなど、社員が業務上の各種シーンに合わせて最適なスペースで働けるようになっている。

photo デル川崎オフィスの新オフィススペース
photo デルの五味英人さん

 「デルは米国系のIT企業なので、もともと社員の作業スペースを広くとることを重視してきました。しかし近年、それだけでは十分とは言えなくなっていたのです」――今回のリニューアルプロジェクトを主導したデルの五味英人さん(グローバルワークプレイス&ファシリティーマネージメント本部 北アジア地域 部長)はこう話す。

 デルでは従来、社員1人1人が自分の仕事に集中できる環境を重視し、パーティションで区分けされた広めのデスク空間を用意してきた。ただ、モバイル端末やクラウドサービスを使って場所を選ばずに働けるようになった今、そのような環境だけでは従業員の求めるワークスタイルに対応できなくなりつつあったという。

photo 従来からのオフィススペース。1人1人のスペースは広いが、パーティションで完全に区切られている

 さらに1つの転機になったのが、デルが毎年行っているグローバル調査だ。近年の結果によると、現代のビジネスパーソンのワークスタイルには大きく分けて以下の5タイプがあることが分かったという。

  1. デスク型:勤務時間の半分以上、社内のデスクで仕事している人
  2. 社内移動型:勤務時間の半分以上、社内のデスク以外の場所(会議室など)で仕事している人
  3. 外勤型:勤務時間の半分以上、社外(取引先など)で仕事している人
  4. 在宅型:自宅やカフェなどでフルタイム(週30時間以上)勤務している人
  5. 特定型:工事現場や山中、船上など、オフィス以外のハードな作業環境で仕事している人

 「ITを使えばオフィスに来なくても働けるようになった中で、それでも会社に来る最大の意味は『社員同士の顔を合わせたコミュニケーションによる新たな知的価値の創造』にあると考えています。しかし従来のオフィスでは、自分の席や会議室で働くのが当たり前で、異なる部門の社員が、必要に応じて、いつでもコラボレーションできる場がありませんでした」(五味さん)――こうしてデルのオフィススペース改革プロジェクトがスタートした。

「すごい」「気分転換になる」――新オフィススペースに驚きの声

 新オフィススペース構築に向けた取り組みがスタートしたのは2014年秋のこと。さまざまな働き方に合わせたコンセプトブースを社内にいくつか設け、それらを体験した社員から意見を募集。新しいワークスペース構築に向けた構想を進めていった。

photo 2014年秋に設置したワークスタイル検証用コンセプトブース

 「コンセプトブースでの調査で驚きだったのが、どのようなワークスタイルの社員からも『大型モニタがほしい』という意見が出たことです。これほど多くの社員に共通するニーズがあるとは思いませんでした。新オフィススペースではこの意見を生かし、各所で大型モニタを気軽に利用できる設計を心掛けました」(五味さん)

photo 新オフィススペースに設置した会議スペース
photo ファミレス風スペース
photo 集中ブース
photo ワンオンワンルーム

 15年11月に着工し、12月末に完成。今年1月の新オフィススペース公開にこぎつけた。現在ではデルの川崎オフィスで働く社員はもちろんのこと、他拠点で働く社員や、同社を訪問した顧客やパートナーが同スペースを活用できるようになっている。

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 新オフィススペースを体験した社員からの評判は上々のようだ。公開からわずか1カ月足らずにもかかわらず、「いろいろな場所で仕事できるので気分転換になる」「すごい、かっこいい」「他のフロアも同じようにしてほしい」「社員全員、特に外勤の人が喜ぶと思う」「モビリティーを生かして働くイメージができた」――など、さまざまな声が寄せられているという。

 「新しいオフィス環境に慣れ親しんだ5月ごろにあらためて本格的なアンケート調査を行う予定ですが、オープン以来多くの社員から『働きやすい』『コラボレーションしやすくなった』という声が聞かれています。何より、社内の中心に自然と人が集まり顔を合わせることの出来る大きな空間が出来上がりました」(五味さん)

photo 新オフィススペースで議論をする平手智行社長(左)

海外にも広がる「新しいワークスタイル」 中国・大連で働く営業社員も

 デルのワークスタイル改革はオフィス内だけにとどまらない。社員の働き方の多様化に合わせ、川崎オフィス以外でも同じように働けるような環境を整備し始めている。

photo 宮崎オフィスでテレワークに取り組む社員たち

 例えば、宮崎県内や中国・大連に構えたオフィススペースでは、複数の営業社員がテレワークを実施。コラボレーションツールなどを活用し、他拠点と連携しながら仕事できるようにしているという。

自由な働き方を多くの企業へ 「Dell Cafe」の取り組み

 デルは近年、自社での実践を通じて得られたワークスペース/ワークスタイル向上のノウハウを基に、さまざまな企業がそれらを気軽に体験できる場を提供している。昨年インテルと共同でスタートした「Dell Cafe」の取り組みもその1つだ。

 Dell Cafeとは、働き方を変えるための最新端末やコラボレーションサービスの体験コーナーを設けたコンセプトカフェ。「リモートワーク体験コーナー」「コラボワーク体験コーナー」「最新製品体験コーナー」「最新テクノロジーコーナー」といったブースを設け、デルの最新ノートPCやタブレット、シンクライアント、ビデオ会議システムなどを生かした働き方を体験できるようになっている。昨年4月に東京・虎ノ門に期間限定オープンした店舗には、働き方の改善に関心がある多くのビジネスパーソンが足を運んだという。

photo 昨年期間限定オープンしたDell Cafeの様子
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 多くの企業にPCやタブレットといった最新IT製品を提供するだけでなく、それらを自らフル活用して働きやすい環境づくりに成功したデル。「ITで社員の生産性を上げたいが、どのような手段が効果的なのか分からない」といった悩みを持つ企業は、豊富なワークスタイル改善のノウハウを持つ同社に相談してみてはいかがだろうか。

パワフルな端末をワークスタイル変革の源泉に

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薄く、軽く、フレキシブルに。デルは超薄型・高性能な法人向け2-in-1タブレット「Dell Latitude 12 7000シリーズ 2-in-1」や、3-in-1スタイルのWindowsタブレット「Dell Venue Proシリーズ」などの提供を通じ、ビジネスパーソンの生産性を高める自由な働き方を支援している。

時代とともにベストな働き方は変わっていくもの。デルは日本の自社オフィスで、効率と満足度を高めるためのさまざまなワークスタイルを実践。職種や仕事内容が異なる社員1人1人に最適な働き方を追求しています。

ミライの働き方研究所 テクノロジーが人と組織の明日を変える

提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2016年3月31日

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