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「のまネコ」は「モナー」? ネットで騒動に

エイベックスから発売されてヒット中の「恋のマイアヒ」。ムービーに登場するキャラクターが「アスキーアート『モナー』にそっくり」などと指摘され、ネット上で騒動が起きている。

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 エイベックスグループが販売する音楽CD「恋のマイアヒ」の映像に登場するキャラクター「のまネコ」をめぐり、「有名なアスキーアートに似ている」とのインターネットの掲示板などで指摘され、騒動になっている。

 エイベックス側は「アスキーアートにインスパイアされてキャラクター化したもの」と説明するが、ネットユーザーは「ネット上でみんなで育ててきたキャラクターを改変し、独占的に金儲けに使うのは納得できない」などと批判している。

 企業がネット上の書き込みやキャラクターを商品化するケースが増えている一方、ネットユーザーとの“距離”の取り方や付き合い方の難しさも浮き彫りになった形だ。

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O-ZONE公式サイト(上)の「のまネコ」と、アスキーアートキャラクター「モナー」

 「DISCO-ZONE〜恋のマイアヒ〜」はモルドバ共和国出身の3人組「O-Zone」のアルバム。海外でヒットしていたそのうちの1曲「Dragostea Din Tei」をもとに、ある個人がネット上で公開していたムービーを「恋のマイアヒ〜ねこねこ空耳 恋ver.」としてCDエクストラに収録し、同社が3月に発売した。

 ムービーには猫のキャラクター「のまネコ」が登場。原曲に「飲ま飲まイェイ!」などと日本語を当てる“空耳”と合わせて人気化し、8月に入ってからオリコンのアルバム週間チャートで1位となるなど、洋楽としては異例のヒットとなった。

 9月1日になって、エイベックスネットワークスが自社のショッピングサイトで「のまネコ」キャラクターグッズの販売を開始した。これに対し、掲示板「2ちゃんねる」などを中心に「アスキーアートの『モナー』に似ている」といった指摘が相次いだ。サイトには「(c)のまネコ製作委員会」とコピーライト表記があったことから、「誰の物でもないネット上の既存キャラクターを改変した上で独占し、利益を得ようというのか」などと批判が集まった。

 エイベックスネットワークスは9月8日、ショッピングサイト上に「のまネコ著作権について」とするコメントを掲載。「『のまネコ』は著作権管理会社と商品化契約を締結した上で使用している」とし、「『のまネコ』は、ネット掲示板において親しまれてきた『モナー』などのアスキーアートにインスパイアされて映像化され、当社と著作権管理会社が商品化にあたって新たなオリジナリティを加えてキャラクター化したもの」と説明した。

 その上で「皆様において『モナー』などの既存のアスキーアート・キャラクターを使用されることを何ら制限するものではございません」とした。

 9月9日、エイベックスの広報担当者にITmediaがコメントを求めたところ、「Web上でのコメント以上のコメントはできない」と述べた。

 問題をめぐり、エイベックス系ミュージシャンが自らのブログで、個人的見解とした上で「音楽業界は『違法ダウンロードはやめてください』と知的文化の大切さを訴えてきた。これらの努力が水の泡になったような気分も感じる」と述べ、「ネットに対する意識レベルの低さが災いと化した」と指摘した。

 またネットユーザーの中には、エイベックス・グループ・ホールディングスが4月にまとめたユニークなコンプライアンス(法令順守)規定(関連記事参照)とは「違和感がある」とする声も上がっている。

 ネット発のキャラクターと企業をめぐっては、タカラが2002年、アスキーアート「ギコ猫」を商標出願し、ネットユーザーの猛反発を受けて出願を取り下げたことがある(関連記事参照)

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