米Yahoo!、IEの行動追跡拒否機能を「認識しない」方針に MSと対立
米Yahoo!は、MicrosoftのIE 10からの「Do Not Track」信号がユーザーの意思を表していないと判断し、認識しない方針を決めた。
Webサイトによる行動追跡に対して拒否の意思を示す「Do Not Track」(DNT)機能をめぐり、米Microsoftと米Yahoo!の立場の違いが鮮明になっている。MicrosoftがWindows 8に搭載のInternet Explorer(IE)10でDNTをデフォルトで有効にすると発表したことに対し、パートナーでもあるYahoo!は、IE 10のデフォルトのDNT信号を認識しない方針を表明した。
DNTは、ユーザーが自分のネット閲覧行動を追跡されることを望まない意思をWebサイトに対して通知する機能。Microsoftは主要Webブラウザとして初めて、IE 10でこの機能をデフォルトで有効にすると表明した。
これに対してYahoo!は10月26日のブログで、同社も基本的にDNTを支持するとしながらも、Microsoftはユーザーに指示されたのではなく、一方的にIE 10のDNTをデフォルトで無効にする方針を決めたと批判。つまりIE 10からのDNT信号はユーザーの意思を表していないことになり、大多数のユーザーの使用感が損なわれてYahoo!が価値あるサービスを提供することが難しくなるとした。
そうした判断から、現時点でYahoo!のサービスでは、IE 10のデフォルトのDNT信号を認識しないことにしたという。「DNTはユーザーの意思を表現すべきものであって、ブラウザ開発者などの意思を表現するものではない」とYahoo!は強調する。
これに対してMicrosoftの同日のブログでは、米国と欧州でコンシューマーの意識調査を行った結果、75%がデフォルトのDNTを望んでいることが分かったと説明。「ブラウザメーカーは、DNT信号が有効になっているのか無効になっているのかをコンシューマーにはっきりと伝え、ユーザーが設定を簡単に変更できるようにしなければならない」と指摘している。
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