「ニコ生で党首討論」めぐり自民・民主が火花 安倍総裁の提案に民主は「フルオープン」提案
「ニコ生で党首討論を」──自民・安倍総裁の提案に自民と民主が火花。民主は“アウェイ”を警戒し、全メディアに開放する「フルオープン」での開催を申し入れたという。
「『ニコニコ動画』の生中継で野田首相の申し入れに受けて立ちます!」──自民党・安倍晋三総裁のこんな提案をめぐり、自民党と民主党が火花を散らしている。民主党はニコ生での党首討論は拒否する構えと伝えられる一方、「全てのメディアにフルオープンで行おう」と、ニコ生に限らず全メディアに開放することを自民党に提案したという。
ニコ生側は各党首に対し、11月29日にスタジオに来て政策を語ってほしいと要望している。安倍総裁は、野田佳彦首相(民主党代表)が総選挙公示前の党首討論について「わたしはいつでもどこでも結構だ」と語ったのを引き合いに、「ニコニコ動画の生中継で野田首相の申し入れに受けて立ちます!」とFacebookで宣言した。「テレビ局ですと各局の番組調整や公平性に問題があり、公示までの調整は難しい」と主張し、「相互に視聴者の方々の意見も反映される最もフェアな場所で決着を着けたい」という。
これに対し民主党は11月26日、党首討論について、公示前に両党共催の形式で都内のホテルで開くよう自民党に申し入れた。報道によると、民主党の安住淳幹事長代行は、安倍総裁が呼びかけたニコ生による党首討論は「政治的な別の意図があると思う」として受け入れない考えを示したという。
同党の蓮舫氏(参院議員)は26日、Twitterで「安倍自民党総裁が野田総理との党首討論にニコニコ動画だけを提案」と言及。「ネット中継メディアはほかにもある」として、「安住幹事長代行からは両党主催でホテルを借りて切り取られないネット中継はもちろん、全てのメディアにフルオープンで行おうとの投げかけをしています」と提案したことを明らかにした。
安倍総裁がニコ生の活用を提案することでネット寄りの姿勢を見せたのに対し、民主党はニコ生を“アウェイ”とみて安倍総裁の土俵に載るのを警戒している構図だ。ニコ生が政治的思惑が飛び交う場になるほど存在感を増している一方、場としては必ずしも“無色”とは受け止められていない現状も浮き彫りになっている。
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