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文化庁、CCライセンスを支援へ 独自ライセンス構築は断念

著作物の公開利用ルールについて、文化庁は普及しているクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を支援していくことを決めた。

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 文化庁は3月26日、都内で開いたシンポジウム「著作物の公開利用ルールの未来」で、著作物の利用許諾について意思表示するライセンスとして、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を支援していくことを明らかにした。2007年〜10年にかけ、独自のライセンス「CLIPシステム」の策定を検討してきたたが、普及の可能性が低いと判断。民間のライセンスとの連携を進める。

 同庁は03年、著作物の公開利用ルールとして「自由利用マーク」を策定したが、あまり普及しなかった。その後、ネット時代に対応したライセンスとして「CLIPシステム」を構想。07年〜10年にかけて検討し、システムの詳細を詰めていたが、その間にCCの普及が進んだ。

 11年には検討委員会(主査:福井健策弁護士)を設け、有識者や事業者などへのヒアリングを行ってニーズを検討。検討委は、CCライセンスなどの民間の取り組みが進む中で、国が独自に行う必要性は低く、予算的にも非効率で、海外にも通用しづらいなど、新システムの普及可能性は低いと評価した。これを受けて同庁はこのほど正式に、CLIPシステムの構築・運用を中止すると決めた。

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CCライセンスの種類

 文化庁著作権課の山中弘美 著作物流通推進室長は、「今後は、CCライセンスなどの民間の意思表示システム、パブリックライセンスの仕組みと連携、協力を視野に入れ、引き続き検討を行っていく。政府、地方自治体など公的セクターでのCC採用や、民間での普及推進を進めるのがこれからの課題だ」と話している。

 CCライセンスは20カ国語以上でライセンスの要約が公開されているなど、国際的にも利用しやすい点が特徴。昨年12月には「初音ミク」などの公式イラストがCCライセンスに基づく形で世界に公開されている

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