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「青空文庫」呼び掛け人・富田倫生さん死去
「青空を見上げれば、そこに本が開かれるような感覚で、読めるようになるはずだ」──「青空文庫」呼び掛け人、富田倫生さんが死去した。61歳だった
「青空文庫」の呼び掛け人、富田倫生(とみた・みちお)さんが8月16日に死去した。61歳だった。
広島市出身。ライターとしてPCの歴史をテーマに活躍し、著書に「パソコン創世記」(1985年)など。1997年、著作権保護期間の終了した作品などを電子テキストで無料公開する「青空文庫」を開設。「インターネットと結び付いた電子本なら、どこにいても、思い立ったその場で開けるようになる。青空を見上げれば、そこに本が開かれるような感覚で、読めるようになるはずだ」という「青空の本」というイメージから名付けられた。
著作者の死後の著作権保護期間を現行の50年から延長する動きには一貫して反対。今年の元日、柳田国男や吉川英治が青空文庫に加わった際、「私たちの活動の目的は、著作権の切れた作品を、使い回しの効くテキストに仕立てて、社会の資源として利用してもらうことだ」と青空文庫について述べていた。
青空文庫では8月16日、富田さんの著書「本の未来」(1997年)が公開された。
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